友人の祖母と一緒に暮らし始めた彼女
この頃から寂しい表情が少しずつ減っていった

友人の祖母は柔和な顔で彼女を見守っている

「彼女は本当に純粋ね…ただ覚えるのが人より遅くて、理解するのも遅いだけ…それだけなのに…」


もうひとりの姉(次女)に連れられて遊びに来る弟も、少しずつ笑顔の増える彼女に喜んでいる

次女の彼女に対する素っ気ない態度は、両親に会いに行った時に

「違和感を感じた」

と友人は言う
弟のように怒るでもなく、かといって両親のようになるのでもなく

「○○(次女)ちゃんはすご~く頭良いし、なんでもできるの!」

彼女の妹に対する評価は高い
しかし、ここ数年はあまり口もきいてないとか…

「ときどき、泣いてるんだ…」

弟の証言だ
ワケは聞いても答えてくれないという

なにかあるのだろう…

「ちぃ姉ちゃんから“会いにいこ”って言うこともあるんだ…内緒だよ」

友人は弟から秘密を打ち明けられたと笑った
小さな弟を連れて姉に会いに来る
ちぃ姉ちゃんは彼女のことをちゃんと思っている…

会いにも来ない両親とはそこが違う

姉に対して冷たい態度をとらなければならない理由があるのだろう
理由を打ち明けてくれない限りそれはわからない…

友人は言う
「ちぃ姉ちゃんの彼女を見る瞳は優しいよ、両親とは違う…あまり心配してない」

                                                続