「姉ちゃんを“また”イジメに来たのか」

いちばん下の弟の、友人に対する第一声
仁王立ちでにらんでいた

「違うの、違うの…」

彼女が弟を抱きしめ、客間から連れ出す

幼い男の子の怒りの感情に“また”という言葉…

改めて話しを聞いた親の言葉からは、彼女を肯定する言葉はない…
否定的な言葉の羅列に腹が立って来る

彼女のために怒っているのはこの場では友人以外に弟だけだ

弟に話しを聞いてみることにした

が、まだ疑っていて、彼女の前では話したくないようでもある

彼女に席を外させた

「お姉ちゃんをイジメに来たわけじゃないんだ…話しを聞きに来ただけだ…怒ってないだろ?」

「う、うん…」

話しを聞くと、近所で起きた多数の悪戯は彼女のせいに“されている”という

「聞いたんだ、姉ちゃんのせいにすれば怒られないって話してるの…姉ちゃんは悪くないのに…けど、誰も俺の言うこと信じてくれなくて…悪いことするヤツら、止められないし…勝てないし…」

彼女を守ろうとしても守れずにいる弟…
幼い彼の声に耳を傾けない親

友人の静かな怒りが心の中に溜まっていく

この町はダメだ…そして家族も…

彼女を守ってくれず、小さな子供の心すら潰そうとしている…

「あとは任せろ」






                                                続