決して良いとはいえない出逢いではあるが、付き合うことになったふたり

最初はかなり面食らった友人…
とにかく目を離すことができない

良く言えば無邪気なのだが…



付き合っていることを挨拶しに行くという名目で彼女の両親と会うことにした

かしこまっているが、彼女の家族から話しを聞くことが主な目的だった

「挨拶なんて、いいよ…どうせわたしなんか…」

彼女の口癖は、

「どうせわたしなんか…」

自分も、友人と付き合いはじめのころの彼女の口癖を聞いたことがあった…

“どうせわたしなんか…”のあとにも声にならない声でなにか言っている…

そしてそのときの表情は、諦めたような目をしていた…
寂しい目の色が今も忘れられない



渋る彼女を説き伏せ、両親の元へと向かった友人

玄関で迎えられたときの母親のうんざりしたような表情に疑問を感じたが、話しを聞くうちにうんざりした表情が理解できた

彼女への文句と抗議がまたやって来たと思ったようだ


客間に通され挨拶をする

両親に、歳の離れた妹と弟
彼女の父親とは血は繋がっているが、母親は継母…

その継母が彼女を嫌っていて、この家に彼女の居場所は無い…

唯一の救いは一番下の弟だった