今から半世紀も前に、イギリスで放送されたスーパーマリオネーション

“THUNDERBiRDS サンダーバード”

世界各地で起こる事故や災害から、人命を救助するために組織された国際救助隊
1~5までナンバリングされたスーパーメカと救助に特化したサポートメカを駆使して被災した人々を助けてゆく


後の日本の特撮、アニメに多大な影響を与えた作品であり、特に撮影に使用された各種メカニックのプロップモデルの操演は見事だ

日本で放送されるや子供たちは熱狂した(らしい…自分は産まれてもいないのでそこらへんはわからない)
次々と商品化されるサンダーバードのメカ

小松崎茂氏の描くサンダーバードのプラモデルのボックスアートは、架空のメカでありながら妙な現実感を感じさせるのも不思議だ

最新CGを見慣れた目には、50年も前にプロップモデルを使用し、リアルさの追求を目指した映像は新鮮でもあり、また、子供のころに見た『ゴジラ』シリーズに出てくる自衛隊の正面装備(既存の戦闘機や戦車、護衛艦)とは違う、如何にも“SF”しているデザインもかっこいい



世の中には稀有な人達がいる

子供のころに抱いた夢を、心の糧だけでなく生きていくための手段としている人達だ

好きなことを仕事とし、報酬と喜びを得て、様々な人が彼等に夢を託す

競技、格闘、音楽、映像、演技、医療、学問と研究etc…


京都大学教授 松野文俊氏は、災害地でのロボットによる被災状況の調査と人命救助を行う“サンダーバード構想”を研究している

子供のころに見た『サンダーバード』に触発されてのことだ



2015年、サンダーバードがリブート作品として新たに制作された

ミニチュアとCGを手がけるのはニュージーランドの“WETAワークショップ”(代表作はロードオブザリング)


新たに制作するサンダーバードに新しい翼を加えることとなり、その新機体、サンダーバードS号のデザインを、マクロスシリーズとその主役メカ、バルキリーの産みの親である河森正治氏が手がけた

WETAも河森氏も、「夢の錬金術士」
才能と情熱をもって作品を世に送り出している



『サンダーバード』は災害や大きな事故から、最新の科学技術をもって人命を救い、存在は明らかにされながらも、特定の勢力に利用されることを避けるためにその技術力と所在地は秘匿される…


なんとなく、石ノ森ヒーローと似ている

サイボーグ009も仮面ライダーも、助けた人々に感謝されるだけ(時にはその助けられた人々すら知らずにいる)で、そこに勲章も名誉も無い
自分の信ずる正義のために動き、戦い、そしてその正義に強要はない

「人ができ得る限りを尽くし人を助ける」


子供のころに見た作品は、その後の人生に影響を与える

松野教授然り、河森氏然り…


いや、大人になっても再確認することができる

青臭くても変わらぬ正義はあり、良心はある