2024年8月30日

音楽之友社

 

ブロ友さんのご紹介で知りました。

 

NHK「のど自慢」の元・鐘奏者、秋山気清さんの音楽家人生を振り返るエッセイです。

 

藝大出身、クラッシックの打楽器奏者、秋山さんがなぜ鐘のおじさんになったのか。

 

1943年、東京・目黒で生まれた筆者が子どもだった頃、音楽は女子がやるという時代。

中学校のとき助っ人で入らされた合唱部が音楽との出会いでした。

 

その後、高校でも中学時代の部活がばれて、合唱部へ。

さらには、吹奏楽部の先輩から「打楽器がいないから」という理由で入部をお願いされますが、小太鼓の叩き方がまるでわからない。

 

なんと、そこから、藝大の打楽器の先生について習うことに。

先生の「どうせなら、藝大を目指してみたら?」と言われるまま藝大にと、順調?な音楽家人生のスタートです。

 

藝大卒業後は帝劇オーケストラ、東京交響楽団、藝大フィルハーモニーなどでパーカッション奏者として活躍。

ヴェルナー・テーリヒェン、カラヤンなど、世界的な音楽家と身近に接する機会も得ます。

 

その間、アルバイトのような形で、宝塚歌劇団、夜のヒットスタジオ、海外アーティストのバンドへの参加など、1章ずつでも1冊の本になるくらい濃ゆい音楽人生があっさり語られていきます。

 

これだけでもすごい音楽活動の合間に、モトクロス、ラジコン飛行機、プロについて還暦から始めたゴルフなど、趣味も多彩。

 

秋山さんが、「のど自慢」の鐘のおじさんになるのは、藝大フィルハーモニーを退職する1年前、58歳のときのことです。

 

はじめ、「プロの打楽器奏者の自分が、アマチュアの歌を聴いて鐘を鳴らすことを本業とすることに、若干の抵抗を感じたのかもしれ」ないといいます。

 

「しかし、徐々にステージで歌う一般の方々の悲喜こもごもの人生を知ることとなり、音楽の力、思いを歌に込める素晴らしさを改めて認識し、これはとても有意義な仕事だ、と思えるにようになった」とのことです。

 

 

鐘は、ただ音を出すだけなら誰でも鳴らせます。しかし、良い音、澄んで遠くまで響く音、会場全体を包み込むような音を出すとなると簡単ではありません。

 

 

一曲に思いを込める参加者に寄り添うような鐘の音。

 

秋山さんは2023年3月26日をもって鐘の奏者を引退し、これからは「もう楽器を奏でることはありません」とおっしゃいます。

 

でも、81歳の今、大型バイクに乗って日本一周という、ひそかな夢もあるのだそうです。

 

 

Rokuさん、ご紹介ありがとうございました。

 

みなさん、おつき合いありがとうございます。