東京五輪・パラリンピック汚職事件

何となく記憶にありますが、まあ、巨額の金が動くのだから、汚職もあるだろうなぐらいにしか思っていませんでした。

 

角川氏の容疑は、大会組織委員会元理事の高橋治之氏に約6,900万円の賄賂を渡したというもの。

 

著書によると、そもそも角川氏は、2020東京オリンピックに思い入れもなく、既に会長職にあったため決定権もなく、話が進んでから報告を受けただけで、会長の肝いりで、大会の組織委員に金を積んでスポンサーになったというのは、まったくの言いがかりだったらしい。

 

氏は、逮捕時、79歳という高齢で、持病があったにもかかわらず、常備薬も与えられず、長期間勾留され、取り調べの段階から、まるで犯人のような扱いを受けていたそうです。

 

 

 

拘置所では二十四時間監視のもと、あらゆる自由が制限され、折りたたんだ布団に寝転ぶことも許されない。こうした実態は被疑者・被告人の身体を人質にして有罪判決を導くためのものとして刑事司法の世界で「人質司法」と呼ばれ、日本独自の仕組みとして国際的にも繰り返し批判されてきた。(「まえがき」より)

 

 

一連の事件で逮捕された人たちは、次々に「罪」を認め、保釈されていきます。

 

角川さんは最後まで全面否定の構えでしたが、このままだと保釈がかなわないという弁護団の判断で、罪状の一部を認め、逮捕から7か月後、ようやく保釈が認められます。

 

最近でも、2019年、業務上横領容疑で逮捕されたプレサンス元社長の山岸氏が248日間留置されていたことなど、記憶に新しいです。

 

身に覚えのない容疑で逮捕され、手錠をかけられ、腰縄をつけられる。

 

容疑を否認している間は身柄を拘束され、その間は犯罪者のように扱われる。

 

何とも理不尽です。

 

検察も裁判所もちょっと考えればわかるような人間らしい扱いをしてくれない。

 

検察の情報を垂れ流し、人権を侵害して平気なマスコミも無責任です。

 

自分や身内が同じ目に遭ったらとは考えないのでしょうか。

 

長期間の勾留が自白を誘導し、えん罪につながることも、また事実でしょう。

 

 

この国で暮らす以上、誰もが巻き込まれる可能性があります。

 

 

角川さんは、今年6月27日、「無罪を主張したことで長期間、身柄拘束される『人質司法』で身体的、精神的苦痛を受けた」として、国に2億2000万円の賠償を求めて東京地裁に提訴しました。

 

 

「人質司法」がどうなるのか、裁判の行方を見守りたいと思います。

 

 

 

 

 

おつき合いありがとうございます。