久しぶりに雨がたくさん降っています。

きょうは朝から図書館に予約した本を受け取りに行きました。

 

雨のせいか、混んでいて

みなさん、晴耕雨読だな

 

 

お借りしたのは『フランス人の高校生が学んでいる10人の哲学者』

 

 

 

フランスの高校では哲学が必修で、バカロレア(大学入学資格試験)でも、哲学の筆記試験があるそうです。

 

本書は、もともと老舗出版社が刊行している学生向けのコレクションで、原題は「バカロレアの哲学試験で避けては通れない10人の哲学者」

 

要は受験参考書です。

 

プラトンの後にアリストテレス、デカルトの後にスピノザと、「宗教と科学、具象と抽象、生と死、悲観主義と楽観主義、古代から現代まで、西欧哲学が民主主義やキリスト教と迎合したり、反発したりしながら発展してきた流れがつかめ(訳者あとがきより)」ます。

 

 

ほかに借りたのは『オイディプス王』(ソポクレス)

 

 

 

 

 

 

 

『オイディプス王』は、ギリシャ神話オイディプス王の物語をもとにつくられた戯曲です。

 

「母親と交わって、(中略)実の父を殺すだろう」

 

デルポイの神託を成就させまいと家を出たオイディプスですが、運命に導かれるように預言が果たされるという悲劇。

 

「エディプスコンプレックス」の語源ともなりました。

 

河合祥一郎さんの訳は、英語からの重訳だそうですが、リズムがよく、読んでいて心地よいです。

 

 

 

 

 

さてさて
雨の日に読みふけった本はもう一冊
 
2022年8月2日
亜紀書房
 
 
著者のイリナ・グレゴリさんは、1984年、ルーマニア生まれ。
 
1984年といえば、日本がバブルに沸いていたころ、彼の国では独裁者が国を治め、それが倒れた革命後も混乱は続きました。
 
祖父母の暮らす田舎で育った少女は、やがて両親の住む町へ。
 
コンクリートの団地の窓から、「ごみをあさる子どもたち」をながめていた彼女は、食べるものには困らなかったものの、同じくらい不幸せだったといいます。
 
読書に救いを見いだし、『雪国』に出会った彼女は、やがて日本で獅子舞の研究をするようになります。
 
今は青森で夫と二人の娘と暮らす日常もつづる、味わい深い自伝的エッセイです。
 
 
学生時代、体に腫瘍が見つかった彼女と、当時つき合っていた彼。
「酷く傷んでいる二人の身体は、私たちがチェルノブイリの子供だったから」
 
 
黒澤明の映画をたくさん見て、中村勘三郎の「夏祭浪花鑑」のルーマニア公演をきっかけに日本に来ることを決意したイリナさんの物語。
 
自分は誰か、身体はどこまで自分なのかわからないまま大きくなった。暗闇の中で人間が自分の感覚をなくすのと同じように、社会主義の国の人々は自分をなくす。
 
 
経験した人にしか語れない言葉があります。
 

 

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございます。