詩人の城戸朱理さんが、日経の書評欄「半歩遅れの読書術」で紹介してくれました。
いわく「本が好きな人に、ぜひお勧めしたい料理エッセイがある。しかも、文学好きなら唸(うな)ったり笑ったりすること間違いなしの一冊だ。」
ワイリとゲニスという、1977年代にアメリカに亡命(移住)し、ニューヨークを中心に文筆活動を行っている文芸評論家による、ロシア料理のレシピ本?です。
われわれが外国文学で読んだことはみんな噓だった。というか、食うや食わずの生活をしている翻訳家たちの、平民的な無知だった
ロシア人とフランス人は、いったいどこが違うのか?答えは簡単。フランス人はかえるを食べる。だからロシア人の方が明らかに優れているのだ
若鶏のサラダ、ボルシチ、白いビーフストロガノフ、ペリメニ(ロシア風水餃子)などは写真つきで、作り方を解説。
れっきとした料理本なんですが、食べることに関して、「人生とはそもそも有害なものなのだ-なにしろ、人生はいつでも死に通じているのだから」などの言葉もあり、皮肉っぽくユーモアあふれる文章がロシアっぽくなくて楽しいです。
どうか民族的なルーツを失わないように(中略)マクドナルドやバーガーキングの世界に引きこもらないでください。
沼野さんの解説も軽妙です。
1996年9月25日発行
未知谷
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