マルジナリアとは、本への書きこみのこと。
本の余白(マージン)に書かれたメモや感想を指します。
本を読みながら、感じたり考えたり、頭に浮かんだことをノートやスマホにメモするもよし、、、本に直接書いちゃう人もいるわけで。
筆者自身、マルジナリアンで、本には赤で書き込みを入れていきます。
見返しに索引を作ることもあって、整然と並ぶ端正な文字はお見事!
『本の雑誌』で連載されたエッセイがもとになっていて、こちらは第2弾です。
レオナルド・ダ・ヴィンチが持っていたマルティーニの『建築論』には「幾何学の練習」という書き込みが。
万能人ダ・ヴィンチも「練習だってするわけである」なんていう、山本さんの感想が楽しいです。
スタンリー・キューブリックが『シャイニング』を撮影するときに読んだ本への書きこみ、『呪われた詩人たち』校正刷りに残るヴェルレーヌの書きこみなどを見ると、人の頭の中をのぞいてるみたいです。
書き下ろしで、神谷恵美子さんのマルジナリアが紹介されます。
こちらは、「神谷恵美子の本の使い方」というタイトルで、写真も何点か紹介されています。
夏目漱石も、筆記用具をもたないとうまく本を読めない、というようなことを書き残しているのだとか。
わたしは、本に書き込みをするなんてとてもできないんですが、「読書の最中に思い浮かんだことをページの余白に書き込むのは、どこかおしゃべりのようでもあります」と言われると、やってみたくなります。
そして、後で読み返したとき、「過去の自分と出会うこともできる」のだそうです。
私は本を買う時、余白が大きくあけてあるのを買うようにする。余白の大きいことそれ自体が好きだからではない。読みながら起る考えだの、著者の意見と一致するかしないかだの、その他一寸した注釈を書き入れることが出来るからである。書き入れることが多過ぎて余白に入らない時には、別の紙に書いて、少量のとらがかんとごむによって頁に貼り付ける。(『赤い死の舞踏会 付・覚書(マルジナリア)エドガー・アラン・ポー/吉田賢一訳(中公文庫)199ページ
2022年5月18日
本の雑誌社
カバーは物の本質について (岩波文庫 青 605-1)に書きこまれた、著者のマルジナリアと著者の手(たぶん)
お読みいただきありがとうございます。