幼いころ、目の前で消えてしまった双子の妹、青葉。しかし、青葉の存在はだれの記憶にもなく、覚えているのは夏日と明人だけだった。

 

やがて大学生になり東京で暮らす夏日。

今度は、卒業論文の指導を受けていた藤枝先生が行方不明になる。

先生は、平安時代には存在していたが、その後失われた「あさとほ」という物語のことを調べていた。

 

 

散佚(さんいつ)物語の「あさとほ」が鍵となります。

 

散佚物語とは、現代まで書き写されずに行方不明になってしまった昔の物語のこと。

題名だけわかっているものや、題名すら伝わらず消えてしまった物語もたくさんあるそうです。

 

「あさとほ」をめぐって翻弄されているのは、人間なのか、それとも物語なのか。

 

他人というものは、だれにとっても、ひとつの物語なのかもしれない。共感や同情はあっても知り尽くすことはできないし、許されてもいない。

 

ミステリー&ホラーという分野らしいのですが、怖くはなかったです。

読後感は悪くなく、恋愛小説といえなくもない。

 

 

図書館で借りたのですが、線香臭いのがちょっと怖かった(笑)

 

 

2022年7月1日
KADOKAWA

 

 

 

 

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