デヴィッド・ボウイはものすごい読書家だったらしいです。

 

飛行機嫌いで、米国内の移動には鉄道を使ったそうですが、携帯書庫のようなものを持っていて、そこには1500冊(400冊ともいわれる)蔵書が並んでいたといいます。

 

 

 

2013年、ヴィクトリア&アルバート博物館の企画展『デヴィッド・ボウイ・イズ』がロンドンで開催され、その後、世界を巡回したとき、ロンドンの次の開催地オンタリオのオープニングで、リストが公開されました。

 

デヴィッド・ボウイが生涯に読んできた何千冊もの本のなかから、最も重要で、影響が大きいと考えた100冊の本のリストです。

 

このリストが拡散されると、「えっ、デヴィッド・ボウイがそんなに本を読んでたなんて知ってた?」という声が多く聞かれたそうですが、ボウイは長年にわたり、本好きを公言していたので、意外ではないようです。

 

 

一部ご紹介すると

時計じかけのオレンジ 完全版 (ハヤカワepi文庫 ハ 1-1)

異邦人(新潮文庫)

神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)

 

 

日本びいきだったらしく

午後の曳航 (新潮文庫)

などもリストに入っています。

 

 

単なるリストではなく、作品の背景や関連する本、ボウイに与えたと思われる影響や、当時のエピソードなど、読み応えのある内容です。

 

 

ボヴァリー夫人(新潮文庫)

ロリータ (新潮文庫)

など、読みたいと思いながらまだ読んでない本の紹介もあって、読書欲を刺激されます。

 

 

訳者あとがきには、「100冊の並び順は、一見順不動のようにも見えるが、実は巧みに並べられているようで、前から順番に読むと流れ(アルバムやライヴの曲順のような)が感じられる」とあります。

 

100冊のリストのほかにもたくさんの本が紹介されており、各編の最後には、気に入ったらこれもと、別の本も紹介されています。(一体何冊になるんだ?!)

 

 

 

本書は、デヴィッド・ボウイの人生の物語ではない。そういったものはほかにたくさん見つかる。本書は、彼が人生の水先案内に使った道具に目を向けるものであり、読書は人を立派にするという、私が昔から好きな、もはや流行らない理論を蘇らせるものである。(「はじめに」より)

 

 

 

 

デヴィッド・ボウイといえば、この曲

 

 

 

2021年10月4日
亜紀書房

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございます。