悪魔の傾聴とは「相手から本音を聞き取ること」、または「本音を引き出すことで、相手の問題や疑問、現状の答えを相手から聞き出すこと」

 

東京貧困女子。―彼女たちはなぜ躓いたのか

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

などの著書があるノンフィクションライターの中村敦彦さんが、「相手の本音をどんどん引き出す方法」を書いたものです。

 

その効果

◎話上手じゃなくても、相手にとって充実したコミュニケーションになる

◎相手に対する理解が深くなる

◎インプットが増えて視野が広がる

 

 

筆者によると、「傾聴」は誰でも習得できるスキルだそうです。

 

なぜならば、「~しない」という不作為の技術が中心だから。

 

 

●自分の話をしない

●相手の話を否定しない

●自分の意見を言わない

●アドバイスしない

 

 

 

実践編

 

傾聴に適した場所は?

×自分の行きつけの店

○話し手の自宅、もしくは近所

 

4人がけのテーブル席、どこに座る?

×正面で向き合う

○対角線に座る

 

傾聴のはじめ方

×雑談から始める

○すぐに本題に入る

 

相手が泣いてしまった

×泣かせたことを誤って傾聴を中止する

○「どうして泣いているの?」と素直に問いかける

 

相手が沈黙して重苦しい雰囲気

×慌ててなにか質問する

○相手がなにか語るまで待つ

 

 

心の調整

 

・「相手に気に入られたい」という思いを捨て、聞き手に徹する

・「信頼されたい」という欲望を捨てる

・どの立場からも一定の距離をとり、どの立場の人からも話を聞く

 

・「成長」「学び」という言葉は使わない

「我々が生きている社会は、誰もが意識が高いわけではなく、むしろ低い人のほうが多数です。そんななかで「日々、成長」「学びがありました」など軽い気持ちで使っていると、それ以外の大多数の人はどんどんと離れてい」くのだそうです。

 

 

AV女優たちの半生をつづった『名前のない女たちシリーズ』や『東京貧困女子。』など、著書が累計100万部以上発行されているだけあって、実践的です。

 

著者は役立つ場面として、福祉現場の相談援助、ライターの取材、婚活などを挙げています。

 

人間関係に変化が起こる危険なスキルでもあるので、すでに良好な人間関係がある友人知人を相手に、「悪魔の傾聴」を行うことは封印しているそうです。

 

 

私自身は福祉関係の仕事に就いているわけでも、ライターでもないので、どんな場面で使うのかなと思いました。(の割に、真剣に読んでる)

 

 

著者の仕事のせいか、あげられている例が独特で、禁断のスキルという雰囲気をかもし出してます。

 

 

2022年9月28日

飛鳥新社

 

 

お読みいただきありがとうございます。