みごとな金色のたてがみを持つライオン。

「金のたてがみで生まれた私こそ、天に選ばれし者なのだ」と胸を張ります。

 

「私こそが、王になる資格を持っている」と思っていましたが、ちまたでは、街外れに住む心の優しいライオンこそが王にふさわしいと噂になっていました。

 

気になった金色のライオンが様子を見に行くと、銀色のたてがみを持つライオンが困った人を助けてあげていました。

 

放っておけば銀のライオンが次の王様に選ばれてしまうと案じた金のライオンは一計をめぐらし・・・

 

 

銀のライオンに関する悪い噂を広める金のライオン。

 

 

はじめは誰も信じませんでしたが、ぽつりぽつりと話題に上り、静かに噂され始め、やがてじわじわ広がります。

 

金のライオンは銀のライオンの悪い噂をメールでもシカに送り、シカはそれをリスに転送し、メールは丘を越え、森を越え、渡り鳥の群れを越え・・・

 

 

 

嘘は、向こうから巧妙にやってくるが、

真実は、自らさがし求めなければ見つけられない

 

 

 

 

 

 

「ほんとうに、金のライオンだけが悪かったのか・・・?」

 

 

 

子ども向けの絵本ですが、大人も考えさせられる内容です。

悪気がなくても、自分がデマの一端を担うことがある。

 

隣近所の噂話で終わる時代ではなくなりました。

情報の真偽はきちんと確認したいと改めて思います。

 

 

2021年4月21日

小さい書房

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。