断捨離という言葉が苦手です。
シンプルな暮らしは好きですが、捨てなくてはいけないという考え方には疑問を感じます。
五木寛之さんは、まえがきで、「断捨離ブーム」が再燃したようだ、暮らしの簡素化が盛んに叫ばれているのは、コロナの影響かもしれないと、おっしゃいます。
第1章モノやヒトとの距離感
・とにかく捨てない。愚直にそのことを続ける
・シンプルライフにひそむ「空虚」さ
・モノに囲まれる生活が孤独を癒す
第2章人生百年時代は「ガラクタ」とともに生きる
・昨日が見えない者には、明日も見えない
・モノと過ごす、「回想」の時間を楽しむ
・「記憶の再生」は前に進むためのもの
第6章この国が捨ててきたもの
・過去を振り返ってこそ文明は成熟する
・戦後七十年間語られずにきた「乙女の碑」
・語り継ぐのはヒトであり、モノである
モノは持たずにシンプルにという、今どきの主流とは真逆な意見に心がほぐれます。
『親鸞』などの著書もある筆者によると、日本にはもともと捨てることをよしとする思想があるようです。
「モノ」との関係と「ヒト」との関係は同じことという筆者は、人生100年時代、人間関係は捨てなくたって、友だちはどんどん死んでいくといいます。
そのとき孤独を癒すのは、モノにまつわる記憶だけ。
それがなければ、人生はなんと「空虚」なのだろうと論じるのです。
筆者の「ガラクタ」として、横浜・馬車道の靴屋「信濃屋」で買ったシュー・キーパーやペルシャの骨牌(カルタ)、金沢のテレホンカードなどが写真つきで紹介されてます。
創業者の本を読んでから、行くようになりました。
期間限定のスパイシーチキンカレーです。
お読みいただきありがとうございました。