田辺聖子さんが書かれた随筆から1つの文章を選び、日々の言葉としてまとめたものです。うるう年も含めて366日分あります。

 

本来、人生は、孤立無援で戦わねばならぬときが多い。
そういうとき、ふと、何かの示唆を与えられる言葉が-それは書物であれ、現実人生の知人の暗示であれ、何か、ささやかれると、それが突破口になるときもある。
(まえがきより)

 

 

好きなものがある、美しいと思うものがある、

ということは、何と人間にとって快いぜいたくだろう。

(篭にりんごテーブルにお茶…)

 

ものを一つ捨てるのは、人生を一つ、捨てることである。

(人生は、だましだまし)

 

私はものをぽんぽん捨てるほうなので、この言葉にはドキッとしました。

要らなくなるようなものを買おうとしてないか、ちょっと待ったが必要かな。

 

高いところから、ナマ身の自分を見おろすと、エゴでひとりよがりなところもようやく見える。そのかわり、純粋な点も見つけられる。

(一緒にお茶を)

 

田辺さんは、人生で人間の上機嫌は一番すてきなもので、砂の中の金のようなものだといいます。

 

上機嫌は煙みたいに消えるものだから、

たやすく忘れられる。

私は、上機嫌でいたときのことを、ちゃんと記憶のノートに拾いあげて押し花のしおりにしておく。あのとき、あのとき、などとおぼえている。

(お目に書かれて満足です)

 

人間のコトバがあるのは、お互いにいい気分を分かち合うためである。

肉親、身内、知人、友人のあいだでは、

いつもいい気分をただよわせておくものである。

(男はころり女はごろり)

 

言葉の使い方は難しいです。

「いい気分を分かち合うために使う」

そんなふうにできたらいいですね。

 

私はかねて、゛生きる″ということは、人と人が笑いあい、扶けあいして、要するに、人生は愛するに足るものだと発見する、それに尽きる、と思っていた。私の書くものも、行き届かぬなりに、そんな思いをこめ、書いてきたつもりである。

(ひよこのひとりごと)

 

366日、一日一文。

くすっとしたり、ふむふむと考えたり、うーんとうなったり、

機嫌よく暮らすヒントがたくさんありました。

 

 

四月一日

「人生で一番いい言葉は、〈ほな〉である」

 

 

 

 

 

きょうのもう一冊は『免疫力を高める 最強の浅漬け』(車浮代)

米のとぎ汁200mlに塩小さじ1(6グラム)を入れ、野菜を漬けるだけです。

残った野菜が長持ちするそうです。

 

 

お読みいただきありがとうございました。