居酒屋で「すみませ~ん!」と呼んでも店員に気づいてもらえない。

そんな経験はおありですか。

 

最近はみんなで居酒屋に行くこともなくなりましたが、

大勢で混んでる居酒屋に行ったとき、私の注文はまず通らないです。

 

筆者は大阪生まれの流しの編集者&ライター。

前著『字が汚い!』に続く、コンプレックスシリーズ第2弾です。

 

「居酒屋で声が通らない」という、人によってはどうでもいい問題を克服すべく、いろんな人にインタビューしたり、本を読んだり……

 

まずは、同じく声が通らなそうな人として辛酸なめ子さんをインタビュー。

辛酸なめ子さんは、通っていたNOVAの英会話コースで、『ワオ!』とかをオーバーリアクションで言うのが苦手だったとか。

声も小さいのでしょうが、別な話のような気がします。

 

ほかにもラジオ番組のミキサーさんの話を聞いたり、音声分析をしたり、その真剣さがばかばかしくてたまらないです。

 

ボイストレーニングの本を大量に買い集めて、まじめに実践していくのもおかしいです。

『1分でいい声になる!』(小泉誠司)

『1日で感動的に声がよくなる!歌もうまくなる‼』(堀澤麻衣子・司拓也)

『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』(魚住りえ)

 

元日本テレビアナウンサーの魚住さんの本の表紙には、仕事も人間関係もこの1冊でうまくいくとあって、声が変わると人生がすごく変わりそうな印象です。

 

筆者の新保さんもいい大人なので、そんなはずかしいことがやれるかとか、声で人生が変わるのか、とか突っ込みながら紹介していて、それがすごくおもしろい。

 

ついに彼は、ボイトレのレッスンに通うことになるのですが、「声はその日の天気や体調によっても違うし、本当に体の一部というか、デリケートなもので、それがわかっただけでも、通った甲斐がある気がする」

 

基本、いい声を出すのには腹式呼吸、お腹から声を出すのがキモのようですが、滑舌も大事な要素みたいです。

 

【レベル★★】

■雑草増殖中につき除草作業中

 

【レベル★★★】

■出世した山村出身シャンソン歌手

■師走の師匠の失踪に失笑する思想家

■結局急遽許可した関係省庁局長級会議開催

 

結構、言いにくいです。

 

井上陽水桑田佳祐はよく通る声、小田和正は70を超えてあの高域が出せる、「歌う村田兆治」などと評されてます。

ボイトレの先生が、声がいいと思う著名人は研ナオコだそうです。

 

最終章では、「いい声って」どんな声?と題して、時代とともに変化する、美声の定義を考察します。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

2020年11月10日発行

文藝春秋

定価(1300円+税)