地球では仮の姿として千葉県市川市本八幡に住み、洋服直し店、広告看板制作業、クリーニング店、美容室、喫茶店、ライブハウス、ダンススタジオ、レコード制作会社などを経営。
80年代初頭より千葉テレビで、自ら制作・主演する『ハロー・ジャガー』を毎週放映していたのだそうです。(知らんがな)
社長さんが音楽活動をしていたというより、同時進行。
ジャガー(GAGUAR)さんの中ではどちらも生活の一部という感じです。
1944年、足立区北千住で生まれ、千葉県各地で育ちました。
木更津第一高校(現・木更津高校)での成績は1番、東大を狙えるといわれるほどの秀才でしたが、多摩芸術学園の写真科に進学。
工作や絵画・洋裁で培った芸術に興味があったからだといいます。
工作技術はすばらしくて、高校2年生のときに自作のオート三輪をつくっています。
洋裁の腕前もすごくて、妹のスタジャンや姉のスーツを自作してます。
20代でクリーニングの取次店を始めたジャガーさんは、洋裁の腕前を生かし、洋服のお直しをするようになります。
この店は最大で30の支店を出すほどになり、70年代半ばには本八幡に自社ビルを建設。
このビルも自分で建ててしまうほどのDIY好きです。(もうDIYじゃないかも)
このビルとは別に1億円以上を投資してスタジオを建設。
音楽仲間が集まり、オリジナル曲をつくり、バンド演奏して録音し、数年がかりで凝りに凝った(と本人がいう)ファーストアルバムができあがります。
ところが、売れないよね。
そんなある日、洋服お直し店に広告をもらおうと飛び込みでやってきた千葉テレビの櫻井さんと出会い、テレビデビューを果たすのです。
その後、いろいろあるんですが、2000年代になって再ブレイク。
千葉テレビにも復活し、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)や氣志團万博2017に出演。
映画『翔んで埼玉』にも「伝説の千葉県人エンペラー千葉」として出演しているんだそうです。(観てない)
なんと、氣志團の綾小路翔さんは、中学生のとき、ジャガーさんの店に雇ってもらいにきていました。ジャガーさんは彼に「中学生は雇えないから、高校生になってからまた来なさい」とあたりさわりのないことを言って帰します。
ジャガーさんに憧れて音楽を始めたという綾小路少年は、面接で「アルバイト経験は?」と聞かれ、「新聞配達と、マザー牧場の牛乳瓶を洗うバイトとか、干潟にアサリを撒くバイトとかしてます」と答えてます。千葉っぽい~
ほかにもX JAPANのhideさんがジャガーさんの看板工場で働いていて、ジャガーさんのライブのときに酔っぱらって「社長~!社長~!」とシャウトしていたとか、エピソード満載です。
どんな音楽なのかとユーチューブで検索してみたところ
なんともゆるいです。
みうらじゅんさんは「ジャガーさんはボブ・ディランだよね」といいますが、ちょっとよくわからない笑
見かけはヘビメタなのに、エコーのかかったゆるいテンポと歌声。
ギャップに萌える?
ジャガーさん自身もガツガツしてなくて、専属マネージャーのりーちゃんは売り込もうと頑張ってるのに、やる気を見せないジャガーさんに歯がゆそうです。
(ハンバーガーは食べないからとCMの出演依頼を断ったり)
りーちゃんはふだんは千葉県内の物流センターで働いています。
あるとき、りーちゃんと待ち合わせたジャガーさんは、ピッチピチの青いスパッツに「CANDY」とラメで書かれたキャップをかぶって登場したそうです。(これはふだん着)
「さっきからめっちゃ見られてますよ」
「ってか、なんなんですか、その高齢者用の手押し車は!」
「あ、これ?なんか買い物して荷物が多くなったらと思ってね」
百均で1万円ぐらい爆買いするので、手押し車はマストアイテムなのだそうです。
小さな夢をなくさないで欲しいのサ
みんな、涙が出てもサ
絶対に拭いちゃいけないゼ
愛してるって言いたいよね
過去の想いは色々サ
愛してるって言っちゃったらサ
前に向かって進もうゼ
小さな夢をなくさないでサ
めぐり逢いは遠ざかったのかな
明日に向かって歩いていこうゼ
時が二人を離さないようにサ
見つめあって歩いていこうゼ
『小さな夢をなくさないで』より
2021年12月22日初版第1刷発行
イースト・プレス
定価(本体1400円+税)
ジャガーさんは料理も好きで、カレーをつくって従業員や仲間にふるまっています。