死ぬときぐらい好きにさせてよ

 

 

印象的な画像。

独特のセンス。

どこかの広告だったなと思ったら、宝島社のものでした。

 

『AERA』や『ゆうゆう』といった雑誌、新聞、テレビ番組などから、希林さんの言葉を集め、まとめたものです。

 

全部で120の至言。

 

私は人間でも一回、ダメになった人が好きなんですね。たとえば事件に巻き込まれてダメになった人というと言葉はおかしいけれども、一回ある意味底辺を見たというのかな。そういう人は痛みを知っているんですね。だから、いろんな話ができると同時にまたそこから変化できるんです。

 

内田也哉子が結婚したときのインタビューで。1995年7月

 

人の痛みを知っている人には

順調に生きてきた人にはない魅力があります。

 

本物だからって世の中に広まるわけじゃないのよ。

偽物のほうが広まりやすいのよ。

 

これもわかるなあ。

デマのほうが広まったりして・・・

本物を見分けるのはなかなか難しいです。

 

 

亡くなったのは2018年。

もう、そんなにたつんですね。

 

まえがきは養老孟司さんです。

NHKスペシャル「脳と心」というシリーズで仕事を一緒にするようになって、楽屋を行き来することもあったそうです。

希林さんの楽屋に行くと、「私は体力がないからね」と横になっている。

それがごく自然な感じで、相手に違和感を抱かせない芸があったといいます。

 

「横になって寝ていたオバさんが、NHKで一番広いスタジオ109に現れて、いざ撮影ということになると、二、三十人いるスタッフにサッと緊張が走る。撮影が始まると希林さんが全体を仕切ってしまう。見事なものでした」と述懐しています。

 

 

えっ、私の話で救われる人がいるって?

それは依存症というものよ、あなた。

自分で考えてよ。

 

「老い」と「死」をテーマにした雑誌のインタビューで、「死」の受け止め方について語って。2017年5月

 

 

 

2019年2月11日第1刷発行

宝島社

定価1200円+税