小学校4年生のとき、弟と二人乗りしていた自転車で転んで、3週間意識が戻らなかったという筆者。

そのときから「自分の頭は壊れた」と思い込み、なにをやっても駄目だという絶望的な気持ちになったそうです。

 

なにより辛かったのは「読んだり書いたりすることができなくなってしまった」という思いでした。

 

それは単なる思い込みだったという著者は、今では1日2冊、年間700冊を読破する速読家です。

 

「音楽を聴く」ように「本が読める」ようになる

 

音楽を覚えようとする人はいないのに、本だとなぜ「お勉強」になってしまうのか、と筆者は言います。

 

じっくり読み込んでも「忘れること」は忘れる

大半の人は、本を一回読んだぐらいで内容を完璧にインプット→記憶するなんてできないはず。

とはいえ、ここでガックリくる必要はありません。「頭に入っていないことのほうが多い」ということは、裏を返せば、「忘れていないものの中に、自分にとって大切な部分が凝縮されている」ということだからです。

 

忘れようとしても忘れられないことってありますよね。

音楽のフレーズなんかはまさにそうではないでしょうか。

 

「100%を写しとる」から「1%にめぐり合う」へ

「その1冊」を読んだのは「その1行」に出会うため

 

自分だけの1行を見つける宝探しのような読書。

これは本当に気楽です。

 

A4用紙に抜き書きした引用の1文を選ぶ、なぜその1文を選んだか理由を書くなど、すぐにできそうなアイディアも紹介されていました。

 

本なんか読まなくてもいい!

だから「読書生活」は楽しい

 

本当にそのとおりなんです。

本なんて読んでも読まなくてもいい。

だけど、本を読むのは楽しい。

それは、筆者にとって動かしがたい事実であるといいますが、私も同感です。

 

何かための読書なんてつまらない、と筆者はいいます。

 

人格を磨くためでも、教養のためでもない読書。

 

速く読むとよりよくわかって楽しいよと、これも同感です。

 

 

2016年2月25日 第1刷発行

ダイヤモンド社

定価(本体1400円+税)