プロローグ
1970年代、少女漫画黄金期でした。
それは少女漫画革新の時代でした。
『ポーの一族』『風と木の詩』『スケバン刑事』『ベルサイユのばら』
そんな名作の数々はどのような現場で生み出されていたのでしょう。
高校3年生のとき、別マ(別冊マーガレットでデビューした作者は、同じ年の夏休み美内すずえ先生のところで、初のアシスタントを経験、短大卒業後も、自分の作品を書きながら、いろんな先生のかけもちアシスタントをされました。
笹生さんが初めて美内すずえに会った当時、先生はまだ20歳。
この若さで既に別マの看板作家だったといいます。
作者と同じ年で、やはり美内すずえのアシスタントをしていたという漫画家にくらもちふさこがいたそうです。
くらもちふさこ、好きだったなあ。
まんが家は三日徹夜
座りきり一カ月
一日半の絶食ぐらい
覚悟しなければ
という美内すずえのアドバイスが大げさではなく、過酷な現場。
眠気を払うために怖い話をするのですが、美内すずえがすごくうまいんですって。
怪談話をしてる間に描いたほうがいいような気もするんですが、みんな若くて楽しそうです。
今はデジタル化されて、集まって描くということもなくなっているようです。
“ブラックっていうのとは微妙に違う気が……”
“あんな生活しちゃ絶対ダメって今は思ってるけどさ、
でも、みんな熱かったよねえ、あの頃”
って、昭和丸出し。
笹生那実さんは30代で漫画家引退、40代から20年ほど同人誌活動をしていたことから、今回32年ぶりにこの本の出版になったそうです。
それにしても、『ガラスの仮面』終わらないですね。
イースト・プレス
定価(本体1091円+税)