キズのあるリンゴは、なんとかそれをかばおうとして、無傷のリンゴよりうまくなるという。
人間も同じで、試験を受ければ必ず合格、落ちるということを知らない秀才もいれば、落ちてばかりいる凡才もたくさんいる。
難しい試験に合格すれば、得意になるのが人間。試験はそうそうあるわけではないから、失敗という経験ができない。停年でやめるころになると、うつろな人間になっていることがザラである。
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外山滋比古さん90歳のときのエッセーです。
この年だけで10冊ぐらいの本を発行しているからすごいです。
なるほど、頭というのはこうやって使うんだなと勉強になります。
「己を知ることは、敵を知る以上に難しい」とか「本当に賢い人は、愚をよそおって他者を喜ばせる」とか、至言がいっぱいです。
われわれ日本人は、
見た目を大事にする
中身はわからなくても
見た目がきれいなら信用する
目で考えるのも悪くない。名前で選ぶのもやむを得ないが、大切なのは人間としてあるべきことを自分の頭で考えることである。
2014年7月25日
幻冬舎
定価(1000円+税