堀江貴文さんといえば『情報だけ武器にしろ。』とか、最先端を走っているイメージですが、2011年6月から東京拘置所に、その後、長野刑務所に収監されておりました。
ネットがつながらない2年半、刑務所の中で読んだ本がおよそ1000冊。
読んだ本の中から42冊の書評を掲載してます。
すごくおもしろいです。
例えば、『二重らせん』(ジェームス・D・ワトソン)を紹介するのに、自らがカジノで5000万円勝ってるのに1億まで勝ちたくて、ひたすら倍賭けしてたら、30分でゼロになった話から入ってきます。
『二重らせん』はDNAの二重らせんを発見したワトソンによる発見に至るまでのドキュメンタリーです。
堀江氏はこの本を読みながら、ギャンブルをしている時の恍惚感ばかりを反芻していたっていうんですよ。
いわく「ワトソンは科学者である前に“ヤマ師”なんだと思う」
ワトソンは張って張って張りまくりだ。
時代が変わる瞬間をモノにできるか―最高水準の科学の世界は、キレイゴトが通用しない、ギャンブルの世界と変わらないのだ。
『理系の子』(ジュディ・ダットン)や『バイオパンク』(マーカス・ウォールセン)『ロケットボーイズ』など、理系の本や『ヘルタースケルター』(岡崎京子)、『人間仮免中』(卯月妙子)、『天地明察』、『JIN-仁』など、話題になった本もたくさん挙げられてました。
役に立った本として、佐藤優氏に勧められた『逐条解説 刑事収容施設法 改訂版』、『獄窓記』(山本譲司)、『ムショ医』(佐藤智美)、『超闘死刑囚伝―孫斗八の生涯』(丸山友岐子)。
自身の獄中記『刑務所なう。』(堀江貴文)も外せない一冊として宣伝してます。
堀江さんが刑務所で泣きまくった2冊は『とんび』(重松清)と『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(リリー・フランキー)
巻末の成毛眞さんとの対談は「どうやって僕らは本を探し、読むのか?」
▼“本好き”がいないところに“いい本の情報がある”
堀江さんは『日経ビジネス』『週刊アスキー』なんかにいい情報があると言ってます。(2013年)
2013年8月30日 初版発行
2013年9月20日 再版発行
定価:1300(税別)
発行:角川書店