平日のお散歩コースが固定化してきている。
それでも気をつけて歩けば、事件が起きていることに気づく。
この間はスーパーの角を曲がったところに袋に入ったままのこんにゃくが2枚落ちていた。
路上には轢かれたと思われるこんにゃく痕。
その少し先には20%引きのレトルトミートボールと茄子の漬物。
また少し行くと裸のこんにゃく、レトルトのハンバーグ。
コナン君なら何が起きたか即座に披露してくれるだろう……などと考えながら進むと、今度は雨に濡れた男物のパンツ。
これは事件とは関係なさそうだ。
クマが出没したというニュースを耳にすることがある。
原因の一つとして挙げられるのは少子高齢化らしい。
都市を囲んでいた里山が担い手不足によって衰退し、空き家に野生動物が棲みつくケースもあるようだ。
かつてどぶ川だった河川を見直し、周辺に緑地を設けた「緑の回廊」がけもの道となって、都市にシカやイノシシを誘導するケースもあるという。
野生生物にとって街中が魅力的なのは、エサとなる大量の生ごみがあることと、銃が発砲されないこと、犬が放し飼いされていないこと。
一刻も早く、「ここにいては危ないよ」という心理的危機感を与え、人間と野生動物がすみ分けることが必要だと説く。
私はこのところ、メガソーラーによる森林伐採を気にしていたが、本書では森林の破壊の歴史が飛鳥時代までさかのぼることが示されていた。江戸時代も普請が多くされ、浮世絵にははげ山が描かれているそうだ。
戦後、植えられたものの外国産の安価な木材に追われ、伐採時期を過ぎても放置されている山林、手入れがされないまま増えていく竹林とそこに生えるタケノコを好物とするイノシシ。
問題は多岐にわたり、難しいと感じたが、私にできるのは、何が起きているか知ることと、食べられるものを捨てないことぐらいか。
コンニャクはカラスも食べないだろうけど。