ベテランのゴミ清掃員は、どこの家から出たゴミか判別できるらしい。
ティッシュの使い方、袋の結び方、捨てている物にも統一感があるそうだ。
大量のゴミを1軒の家から出せばすぐにわかるという。
奥さん、見られてますよ~
マシンガンズの滝沢さんが本業のゴミ清掃について語った前著『このゴミは収集できません』の続編です。
お金持ちのゴミは驚くほど少ないという。
生ゴミも見えないように高島屋の袋に入れて出すそうです。
筆者は、お金持ちのゴミをまねして、ピーマンのタネすら食べ、ゴミを減らした結果、お金に困らなくなったといいます。(前著が売れたからともいえる)
人の生活の出口、河口ともいえるゴミ収集現場での人間模様は興味深いです。
ゴミの捨て方に本性が現れる?
ゴミ清掃員仲間で、ボクシングジムの会長のジャイアン山本さんという人が出てきます。
元日本チャンピオンです。
もうすぐ70歳になろうかという会長は、傾いているジム経営を助けるため、ゴミ清掃の仕事をしています。
「この歳でバイトできるんだからラッキーだろ?普通、俺の年になったら仕事なんてねぇぞ?それがこうやってバイトできるんだぞ。タッキーだってよ、好きなお笑い続けられるのもこうやってゴミ清掃員として働けるからだろ?」
滝沢さんが、清掃員仲間を紹介するのは、この仕事をしているのも人間だということを知ってほしいから。
人間扱いされない、見てはいけないもののように扱われることもあるそうです。
どんな人がやっているかわかれば、捨て方も変わるのかもしれません。
まだ食べられるのに捨てられる食べ物が、日本では年間612万トン。
世界の人たちが食べ物に困っている人を助けようと援助するために搔き集められた食べ物の量は390万トン。
規格に合わないからと箱ごとイチゴが棄てられたときは、回転板が真っ赤に染まって、いい匂いだったそうです。
タイムリミットまで20年
日本の最終処分場はあと20年で埋め尽くされてしまうそうです。
滝沢さんはラストロングの精神をと訴えます。
ラストロングとは「もったいない精神」
買う前によく考えて買う。
捨てるようなものは買わない。
SDGsとかサスティナブルとかいう言葉は全く使われていませんが、日々現場でゴミを収集する人の危機感が伝わってきます。
本当はこういう本を読まない人にぜひ知ってもらいたいそうです。
金持ちになりたいからゴミを減らすとか、
誰もがやりたくなるようなゴミの減量化策があるといいですね。
嫌な仕事を楽しむ方法。
金持ちと結婚する方法。
ほかにも、いろいろ役立つお話が満載です。
しかも、おもしろいのです。
出版社 白夜書房
発行 2020年9月10日
日付 2021年6月15日
定価 1300円+税
「贅沢搾りグレープフルーツ」
★★★★☆
アルミ缶回収で圧倒的シェアを誇る「本麒麟」
コロナ禍でさらに暴走し、
レモンサワーの覇権争いは激化したという。
ゴミ収集はマーケティングリサーチでもある
深 い