小説を読んでいると地図を見たくなることがあります。

推理小説だと犯人が逃走したりするので、そのルートを追ったり、どこに潜んでいたのかとか、そんなことも気になります。

 

松本清張は40年にわたる作家生活で700以上の作品を残したそうです。

日本全国、清張が舞台にしてないところはない、と思いきや、唯一富山県だけが舞台になっておりません。何かかわいそう。

 

作品別の特集では、『ゼロの焦点』『砂の器』『点と線』『天城越え』などが取り上げられています。

 

『ゼロの焦点』といえば能登金剛。

物語のラストシーンで、犯人が荒れ狂う冬の日本海に一人ボートを漕ぎ出す。

そこを「ヤセの断崖」と思う人が多いのは、野村芳太郎監督の映画の影響だとか。

原作では、羽咋郡高浜町赤住の海岸とされているだけです。

 

北陸出身の友人に「ヤセの断崖」ってどこにあるのと聞いことがあります。

友人は、「知らないないなあ、『ヤセの大食い』なら知ってるけど」

その人は富山の人でした。なるほど。

 

物語の原点となるのは東京立川。

基地の面影を残す街の今昔が地図で比較されていたりして、とても興味深い。

 

ほかにも清張作品に登場する温泉や鉄道が紹介されています。

見覚えのある地図だと思ったら、出版は帝国書院。

高校の地図帳の会社ですね。

物持ちの悪い私ですが、地図帳はしばらく持っていました。