現代の演劇においては、稽古の期間はだいたい3週間くらいが標準だという。それくらいやらないと、台詞や演技が身につかないのである。
ところが、ここに、驚くべき短時間で台詞を記憶することが常態化している職業人がいる。
歌舞伎俳優である。
歌舞伎俳優は、一月のうちに二十数日間毎日舞台に立つ。
もし、次の月も公演があるとすると、残りの数日間のうちに台詞を入れなければならない。
そのようなプレッシャーがあるからこそ、自分を追い込んで驚くような能力を発揮することができる。
脳は、思い込みにとらわれずに脱抑制すれば、大きな力を発揮できるのである。