筆者は憲法が専門の弁護士さん。
衆議院平和安全法制特別委員会公聴会で参考人として意見陳述されたこともあります。
多くの人が孤独感を感じている今の状況を自由主義と結びつけていることに、なるほどと思いました。
近代自由主義(モダン・リベラリズム)は、自己と他者の自由 を尊重する社会的公正を指向する思想体系のことをいう。(ウィキペディアから)
「個人の解放」の号令とともに、抑圧的で画一的な価値が自明であった環境から、色彩豊かな多様な価値の洪水に放り出されることになったというのです。
誰もがマリー・アントワネットになってしまった。(本文より)
しかし、自分で自分を獲得できるほど人間は強くありませんでした。
さらには自由な経済活動によって、地域コミュニティや共同体は破壊され、郊外のショッピングモールに代表されるような、均質化した空間に都市のアイデンティティが奪われていく。
私たちは「活き活きとしたコミュニティ」より「安い下着」を選んでしまったというわけです。
(私は下着はユニクロじゃないけど)
私たちが行う選択は本当に自分で決めたものなのか。
繰り返し自分好みの情報にさらされることで、視野が狭められてないのか。
ネット社会での最大勢力と言われる「無党派層」。
過激化する左右のブログやツイッターを見て彼らが思うことは、「触らぬネットに祟りなし」
私のようなど素人が触るべきでない最たるものは「憲法改正」でしょうか。
本書の中では「コクミンテキギロン☆しよう」という取組が紹介されていました。
渋谷のカフェ併設の開放的な空間に、40~50名の規模で集まり、毎回憲法について持論のある政治家を招いて双方向で議論するものだそうです。
会のモットーは「☆相手の話を聞こう ☆質問は簡潔に ☆笑顔で議論しよう」
意見が違うのは当たり前、「全員が「忍耐と寛容」の旗の下、腹の底に言いたいことをぐっと堪えているという意味での張り詰めた健全な緊張感と、立場が違っても会話ができるという達成感が充満していた」
言いたいことを言って、いいねをもらう空間は心地よいですね。
自分は今どこにいるんだろう。
とても勉強になり、おもしろい内容でした。