「HORIZON LABO」は群馬県桐生市にあるコーヒー焙煎研究所。
2017年4月に、当時、15歳の岩野響さんがオープンしたお店です。(現在は販売はしていない)
生まれたときから、眠らない赤ちゃんだったという響さん。
21歳で、最初の子どもである響さんを出産したお母さんは、とても苦労したようです。
「寝てくれない」というお母さんに対して、周囲の人は「子どもなんてそんなものよ~」と軽く言う。経験の浅いお母さんは、そんなものかと思う。
保育園でも、育て方が悪いと責められる日々。
アスペルガーであることが分かった後でも、何でも障害のせいにするなと言われてしまう。
発達障害の診断を受けるのは小学校3年生のとき。
ショックより、ほっとしたとお母さんはおっしゃっています。
よい先生との出会いによって、小学校は卒業するものの、中学校で学校に行かれなくなります。
どうやって生きていこうかと家族で考えたとき、コーヒーの焙煎士になって、お店を開いてみようということになったようです。(お父さんもちゃんと登場しますよ)
響さんは、生まれつき感覚が敏感で、味覚や嗅覚がとても優れている。
それが焙煎士という仕事にとても役に立つのですね。
発達障害って何でしょう。
障害と呼んでいいものか。
本人も、家族も生きていくのが大変なのは、周囲の無理解と社会の仕組みのせい。
学校は、個を生かした教育とかいいながら、まだまだ人間製造工場なんですね。
規格外の人間ははじかれていく。
あるいは、規格に合ってないけど、はじかれるのが嫌だから規格に合わせていく。
みんな苦しいよね。
お母さんの久美子さんが、相談していた脳神経外科の先生からもらった、目からうろこだったという言葉から~
「人間が人間を育てるなんておこがましい。生命を教育しようなんて思うことが間違っていて、サポートでいいのよ。響さんは、響さんで完成されていてすばらしいわけだから、それを、あなた流に教育しよう、育てようとしちゃうから、お母さんもこんがらがって悩んでしまう。響さんは響さんなんだから!お母さんは、響さんができないことをサポートすればいいの」
「人間はいわば神の創造物。私たち医者だって、もう何千年も研究しているのに、わからないことはたくさんあるの。お母さんは子どもをわかって教育しようとするから変なことになる。あなたが教わってきた教育と、響さんに必要な教育は、また違うでしょう?」
生きている以上、知識のアップデートは必要なようです。