著者は文芸批評家の新保祐司さん。

内村鑑三の「一日一生」を模したタイトルです。

 

2020年はベートーヴェン生誕250年にあたる年でした。これを機に、ベートーヴェンを改めて聴き直そうと思っていたところ、コロナ禍の異常事態となり、一日一曲聴いて、それについて思ったところを述べるという形になったということです。

 

2020年4月1日 ピアノ・ソナタ第1番から始まり、7月10日、ディアベリのワルツによる33の変奏曲 ハ長調 作品120まで

 

ほとんどのCDを持っていたという新保さんです。

いろいろな演奏家で聞き比べておられます。

ところどころに「演奏家のスケッチ」というページがあって、グルダやソロモン、グールドなどの演奏家についての文章があります。勉強になります。

 

ベートーヴェンを一日一曲聴いてみて、一曲を選べと言われたら「自作の主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO80」だそうです。(選べるというところもすごい)演奏はグールド。

 

ピアノ三重奏曲第7番「大公」と弦楽四重奏曲第8番「ラズモフスキー第2番」だけは、手元にCDがなかったので、後ほど聞いたそうです。緊急事態宣言の中で聴いたときと比べて、何かがないように思われたと語っておられます。

 

「大公」はカザルストリオの演奏。

YouTubeで聞いてみましたが、ゆったりしていて華やか、なかなかよかったです。