「国家を持たない最大の民族」と呼ばれるクルド人。
人口約8200万人のトルコに1000万人以上のクルド人が生活するが、有形無形の差別、制圧の下で「二級市民」の立場を余儀なくされているという。
自国での生活が困難な人々が、生きる権利を求めて、日本にもやってくる。
難民を受け入れない国、日本で、彼らは非正規入国者として、非常に厳しい扱いを受ける。
外国人は人間として扱われない。
番号で管理され、大勢の入管職員に取り押さえられ、大けがを負う。
病気になっても病院に連れていってもらえない。
入管施設では、LGBTQにも、食物アレルギーにも当然のごとく配慮がされない。
1999年生まれのジワンはトルコ出身のクルド人の女の子。
8歳のとき、トルコで警察に拘束され拷問を受け、出国を決意した両親とともに来日。
高校生のときに突如、ビザが打ち切られ、進学を予定していた専門学校は入学に難色を示す。
ようやく埼玉県内の保育系短大が入学を許可し、現在、保育士を目指し、実習に励む。
「日本に必要のない人間だと、入管に思われたのが一番悔しいんです。看護師になって、困っている患者さんをたくさん助けて、両親を旅行に連れていきたい。そのためにもビザが必要なんです」
日本で長年暮らしていても、排除される背景には東京オリンピックの影響もあるようです。
入管の職員がアイヒマン実験の被験者のようにも思えます。
人間は時に非常に残酷になってしまう。
本に書かれていることが全て事実なら、これが今の日本で行われているということに衝撃を受けます。
新型コロナ感染拡大に伴い、国連機関は各国政府に移住者の入管収容をやめるべきだと強く訴えたといいます。
UNHCRや国連児童基金でつくるネットワークも「入管収容は感染リスクを高める」として、即時解放と、住居のない収容者に対し、シェルターやホテルを用意するよう強く要請したそうです。
日本を含む、各国の反応は極めて鈍いものです。