35歳の若さで台湾の蔡英文政権に入閣し、IT担当大臣としてのコロナ禍の迅速な対応が日本でも話題になったオードリー・タンさん。

 

IQ180ともされていますが、学校での測定では3回とも160を記録、それが測定可能な最高値だった。

8歳で独学でプログラミングを学び、中学時代は老子、哲学書、詩歌、古典文学などを読みふけり、大学の授業を聴講し、インターネットでプログラマー、言語学者、数学者などと出会いながら学びを深める。

14歳で中学を自主退学

15歳でプログラマーとして仕事を始め、19歳でシリコンバレーで起業。

 

24歳のときにホルモン剤を服用し、女性としての思春期を迎えます。

 

本書はオードリー・タンさんが雑誌クーリエのインタビューに答えて「自由」について語るという内容。

 

オードリーさんの考える自由には2種類あって、1つはネガティブな自由。

それは狭い範囲で個人が自由になること。

そして、その自由を他の人にも広げていくことがポジティブな自由。

自分の自由のために他人を犠牲にしない自由。

 

そして自由のために生かせる最新技術についても語ります。

台湾や日本には「あらゆるものに魂が宿る」という考えがあって、日本は「ドラえもん」を生み出したほどテクノロジーに親しみがある。

ロボットといえば「ターミネーター」のような敵をイメージする欧米とは違う。

AIは敵ではない。

 

新型コロナ感染再拡大で繰り返し議論される予防か経済かという二者択一の価値観について本文から~

 

民主主義を深め、経済活動を活性化させつつ、新型コロナウイルスのような脅威の拡大を食い止めるには、左でも右でもない場所に行かなければなりません。この「風上へジグザグに進む」という思考法は、透明性と説明責任があってはじめて実現可能なのではないでしょうか。

政府の「透明性」と「説明責任」については台湾はかなり先進的で具体例が紹介されています。

 

そして、国家やコミュニティーのあり方について

 

完全な合意などない。

一枚岩の向こうで、自分を殺して、ひっそりと息を潜めなくてもいいのです。

「こんな感じで行こうよ」

そんな大まかな合意で進んでいけば、よりたくさんの人と共存することができるようになり、より多様性のある文化を実現することができます。

 

 

インタビューなので平易な言葉で語られるのですが、内容がなかなか深い。

未来に希望が持てる内容です。

まさにパラダイムシフト。

こういう発想の転換をすれば良い方向への変化をもう少し早められそうです。

 

オードリー・タンはスマホ使わないんだって。

テクノロジーは使うもので使われるものではないそうです。