先日、ある興味深い記事を目にした。
ベルギーの大聖堂で涙を流す多くの日本人観光客と
それを現地の人々が不思議そうに眺めている!という内容だ。
日本人にとって『フランダースの犬』は、世代を超えた感動作の代名詞。
が、舞台となった現地ベルギーでは、その受け止められ方が随分と違うらしい。
気になって調べてみると、Amazonプライムの東映チャンネル(月額340円)で視聴可能とのこと。
当方はサブスクの解約忘れを避けるため、加入と同時に解約手続きを済ませたところ、視聴期限はわずか2週間?
そこからは、全53話を消化する過酷なスケジュールが始まりました。
朝から晩、そして通勤中まで。
皮肉なことに、
最も悲劇的な主人公の「おじいさんが亡くなるシーン」が、帰宅時の満員電車と重なってしまい、マスクで顔を隠しつつも、動画を観ながら静かに涙を流し、満員電車に揺られる。端から見れば、随分とヤバいオジサンに映ったことだろう。(泣)
さて、強行軍で全話を完走した今、率直に抱いた感想は「感動」よりも「不信感」に近い。
まず、現代の作品に慣れた目で見ると、あまりにもテンポが遅い。
物語の展開に爽快感がなく、じわじわと停滞する感覚は、視聴において少なからずストレスとなった。
そして何より、主人公ネロに降りかかる不幸の連続だ。
これでもかという理不尽な展開の末、死をもって幕を閉じる物語。
悲劇を美徳とする日本の感性には響くのかもしれないが、物語の構成としてはいささか疑問が残る。
さらに調べてみると、この「救いのない結末」への違和感は、私一人のものではなかった。
アメリカやベルギーなど海外の公開版では、最後にしの実の父親が現れたり、主人公は死なず発見され、後年絵の才能が認められたりと、ハッピーエンドに改変されているケースが多いという。
また、当時この作品に携わっていた宮崎駿氏も、後年、このストーリー展開に対して否定的な見解を示していたようだ。
名作という看板を一度下ろし、大人の視点で再読してみる。
そこにあったのは、単なる「泣ける話」ではなく、あまりに一方的で救いのない、残酷な展開への強いモヤモヤであった。
唯一の救いは、正直で優しく素直な主人公が当方の年少時とダブル部分が多く、昔を思い出した点でしょうね(笑)