6月に図書館に予約してやっと順番が回ってきました。

川上未映子さんの「きみは赤ちゃん」。

35歳で妊娠、出産をした作者の体験記。
最初に言っちゃうと、ものすごくおすすめです!!

妊娠中、産後の育児の出来事が書かれているのですが、あきらかに心身ともに普通の状態じゃなくなってちょっとしたことに過剰反応して泣けてきたりイライラしたりというホルモンの変化によって起こることを作者の巧みな言葉のマジックで、
そうそう!わかるわかる!と大爆笑したりしながら時に泣けてきたり共感することしきり。

これは世の中のお母さんは共感することがたくさんあるだろうけど、老若男女いろんな人に読んで欲しいと思います。

今、私自身実家にいるのですが、両親が孫であるKちゃんを見る笑顔がなんとも言えない優しさに溢れていてときどき胸を突かれます。
あぁ、私が生まれたときもこの人達はこんな優しい顔をしていたのかな、と。
記憶がないだけできっとそんな顔をしていたんでしょうね。
Kちゃんをお風呂に入れることを毎日楽しみにしている父。
夜中の授乳も一緒に起きてミルクを作ってくれる母。
もう今週末には一旦川崎に戻る予定なので、先週辺りから
「Kちゃんがいなくなったら寂しいなぁ…。」と口を揃えて言う二人。
結婚して10年子供がいなかったので両親はもう私に子供ができることを諦めていたらしく、口には一切出すことはなかったのですが心の中は複雑だったようです。
(ま、弟に2人女の子がいるから孫がいないってわけではないのですが。)
二人の思いを感じて胸がいっぱいになります。

きみは赤ちゃん、この本は赤ちゃんに対する愛情に溢れた作者の思いが詰まっていて、それがただただ幸せだ、っていうことだけではなく、
産後クライシス、うつっぽくなってしまったこととかたぶん私、子供が生まれて幸せよ~っていう感じのものとは違って生まれてからの大変さや不安なことなと全部ひっくるめて赤裸々に綴られていて、それが更に共感できます。

うん、赤ちゃんを生んだお母さんはみんな読むといいよ。
とっても元気づけられるから!!
男性も奥さんに、そして自分を生んでくれた両親に感謝したくなるんじゃないかな。

図書館で借りましたが、自分でもちゃんと買おうと思います。
何度でも読みたくなる作品です。