ストレートプレイはちょっと苦手なのですが、

脚本が蓬莱竜太さんで演出が鈴木裕美さんだということで、興味が湧いたので行ってきました。


新国立劇場小ホール「エネミイ」


出演者はたった7人。

平凡な4人家族の家に40年前に今日会うことを約束してきたから、と2人の60歳前後の男性がその家の父親に会いに来てそのまま2泊ほどその家に泊まることに。


父はどことなく迷惑そう。

母はほがらかに男性2人をもてなす。

30代半ばデキル女、独身の姉は結婚相談所に登録し、婚活に必死。

31歳弟は派遣切りにあい、1年半ほどコンビニでバイト。店長に頼まれバイトのシフトを組んでいる。


この2人の男性の目的は何か?

どうして40年経った今、父に会いに来たのか?


今、現代の社会が漠然と抱えている焦燥感や、どう生きていったら正解なのか、学生運動に身を投じた時代の2人の男性が、今の抱えている問題は何か、見えない敵はなんなのか?なぜ疑問に思っても戦わないのか?を青年や戦わないことを選んだ父に問いかけます。


まだ公演中なのであらすじはこんな感じってことでやめておきますね。


お姉さん役の高橋由美子さん。私と実年齢が同じなのでとっても親近感がわきました。

最初、ちょっと演技がオーバーかな?と少し違和感を感じたのですが、最初だけでした。

ちゃきちゃきキップがいいアネゴ肌キャラがとっても似あっていて、私たち30代半ばってこういう悩みあるよねーとか、男性の選び方とか目線とか、とっても共感しました。

また、衣装も自然なので、30代でもこれ、イケるか、じゃあ私も着ちゃおと思ったり。

11月の「モーツァルト!」のナンネールも楽しみです。


主役の高橋一生さん、のれんに腕押しというか、感情があるんだかないんだかよくわかんない感じがうまかったです。

いますよね、こういう人。何言っても怒らないし、関心がないっていうか感情がない感じ。

終盤に感情を吐露する場面がありますが、これまた尻すぼみっぽくて、この青年の「らしさ」が出てました。


お母さん役の梅沢昌代さんのノー天気さがこの舞台を救ってくれていました。

これくらいのほほーんとした人はどんな問題が起きてもそれなりに乗り越えていける気がします。

こういうちょっとおっとぼけてるように見せておいて、ちゃーんと周りの人のことを思いやっている人になりたいです。


蓬莱竜太さんの脚本、これで2回目ですが、好きです。

同世代ってこともあるのでしょうが、言葉の使い方が今の私たち世代が使っている感覚と同じなので違和感がなくすっと入れます。あと、おおげさすぎないところ。

全部は観にいけないけど、次回も絶対に行きたいです。


新国立劇場 小ホールで7月17日までです。

おもしろいのでオススメです。(°∀°)b