つづきです。
「私、家近いからヘッドマッサージの道具仕事が終わってから持ってくる。
あなたの部屋でやってあげるわ。」
「えっ?いいの?!」
「いいわよ。」
あやしい・・・。でもおもしろそう・・・。
それに、これは直感でしかないけどこの人絶対に悪い人じゃないと思う。
「値段は?」
「あなたのチップでいいのよ。でもホテルには内緒よ。」
「了解。」
一応、私の希望の値段でまとまり、夕方5時に部屋に来てもらうことになりました。
私の英語力だし、ひょっとしたら全然通じてなくて来ないかもしれないし、それはそれでいいやと思いつつ待っていると、5時ジャスト、
ピンポーン。来た!
「どうぞー。」
「みつかるとまずいの!クビになっちゃう!カーテン閉めてっ!」
「はいっ!」
早速始まりました。変に長居されるのも問題ありかな、と思い約束の時間は1時間です。
横ではHちゃんがごゆっくりーと寝てます。
値段がちょっとさっき約束した値段より上がってたけど、
500円ほど上がっただけだしまあ細かいことはいいや。
髪の毛にいっぱいのクリームを塗ってもらい、頭をじっくりマッサージ。
固くなった頭皮がゆっくりとやわらかくなっていき、リラックスしていくのがわかります。
自律神経にいいんですよねー。
500円値上げしたからか、頭のマッサージが終わった後、クリームを髪に浸透させる間、
「ここからはタダでやってあげる。」
とデコルテや肩、腕や足のマッサージも追加してくれました。
アロマオイルが、とってもいい香り。
「このオイル、なんて言うのですか?とってもいい香り。」
「これは、パパイヤとパイナップル、何とかと何とかとココナッツのオイルを混ぜてあるのよ。あなた欲しい?私、小さいボトルに分けてあげるわ。」
「いいよいいよー。これ、大事な商売道具でしょ?いらないいらない。マッサージおまけしてくれてるのに悪いよ。」
「じゃあ、これあげる。あなたがさっきしつこく行きたいって言ってたビンタンスーパーマーケットで売ってるんだけど。」
とサンダルウッドのアロマオイルをいただいちゃいました。
「日本語、話なくて残念だわ・・・。」
「私ももっと英語、話せたらいいんだけど・・・ごめんね。」
とこれ、全部カタコトですからっ!よく意思の疎通が図れてると思いません?
変に英語の話せる友達とかがいたら発音がどうのとか変な英語使ってないかな。とか考えちゃうのですがとにかく相手に通じればいいと思って話してるから文法もへったくれもないけど、通じてる・・・。
とそうこうするうちに1時間経ち、別れの時間に。
「今度、いつバリに来る?今度来たときは絶対また連絡してね。」
と住所と名前を書いた紙をもらいました。
信用しすぎると痛い目に遭うからどこまでが本気なのかはわからないけど、
マッサージだって本当に上手だったし、話をしながらとてもいい人だってことが伝わってきました。
おまけにサンダルウッドのオイル、もらっちゃったし。
一緒に写真を撮り、送ることを約束。
帰りはホテルの従業員に見つからないようにHちゃんに見張ってもらって外へ出してあげました。
以前同じようにオーストラリア人にやってあげたことがあると言っていたから
きっとこうやってやるの、彼女にとってホテルのマージンが取られない分いい収入になってるんだろうな。
でも確実にいつかつかまってしまうんだろうな・・・。
つかまってクビにならない程度にお小遣いを稼いでもらえればいいけど・・・。
ちょっとしたスリルと心地よさを味わったバリ最後の夕方でした。