今日、休みだったので天王洲 銀河劇場へ舞台「組曲虐殺」を観に行ってきました。

作家、小林多喜二の29歳で警察により虐殺されるまでの半生を描いたものです。


小林多喜二って「蟹工船」で有名ですよね。


今回の舞台、井上ひさしさん原作です。

去年の「ロマンス」は見てないです。


実は、ストレートプレイの舞台、苦手なんです。食わず嫌い。

一度ある超有名な演出家の方の舞台を見たときに、

(チケットも即完売でしたよ。俳優さんも世間ではその演出家の秘蔵っ子が出演で結構話題になってました。)

セリフは早口でわかりづらいは、

やたら回りくどい言いまわしでよけいセリフが理解できないし、

マイクをつけてなかったのかさらに聞こえづらいは、

舞台セットはなんだか前衛的すぎるはで、

ちっともおもしろくなかったんですよね。ガーン

世界の評価でいくらよくても私には最低の舞台だ!

とストレートプレイ嫌いになってしまいました。

なので、井上芳雄さんが出ていてもなんとなく観る気がしなくて去年はスルー。


でも、今回はなんとなく芳雄くんが命を削って作り上げてる舞台だってブログで書かれていたし、

あの演出家じゃないし、小曽根真さんのピアノだし、なんとなくいいかも・・・とチケットを取りました。


結果。

命を削った舞台でした。

まだ観ていらっしゃらない方にネタばれになってしまうので詳しく書きませんが、

小林多喜二の半生で警察からの追跡や虐待などで辛くて暗さが全面に出がちな話を、

お姉さん役の高畑淳子さんや多喜二の婚約者?役の石原さとみさんのキャラで笑いになり、また歌ありで落ち着きました。


観にきている方々も年配の方が多く、いつものミュージカルや宝塚を見にきている人たちとは明らかに客層が違いました。

途中、あちこちから男性であるだろう方々のすすり泣く声が聞こえていました。


この話、今の鬱々とした時代にも通じますね。

多喜二のセリフに

「絶望するにはいい人が多すぎる、希望を持つには悪いヤツが多すぎる。(だったと思うけど・・・)」

とありました。信念を貫こうとするには警察から逃亡しながらの生活が待っている。また同志の裏切りもあるかもしれない。心が折れそうになる毎日との葛藤だったことでしょう。


多喜二のように信念を貫き通す生き方を、今一度私なりに私の信念とは何か?と考えてみたいなと思いました。

私はあんなにストイックにはもちろんなれませんけどね。べーっだ!