母には14歳離れたお姉さんがいます。

戦争中、祖父の転勤で住んでいた熊本で、空襲の防空壕にいたとき、

祖母の止めるのも聞かずに、急に防空壕を飛び出し、

長崎の原爆のきのこ雲を見てしまったそうです。

まだ母が生まれるずっとずっと前・・・伯母が小学生の頃のことです。


そのきのこ雲を見たことが原因で、叔母は白血病になり、

何年も闘病し、そして24歳という若さでこの世からいなくなりました。

母はそのとき10歳だったそうです。

婚約者もいたそうです。


母はそれから看護師になり、父と出会い、私が生まれました。

私が生まれたと聞いた時、母の父、祖父は他のどの孫が生まれたときよりも

喜んだそうです。(初孫でもないし、女の子はもうすでに生まれていたんですけど)

誕生日がちょうど20年に一度の伊勢神宮の式年遷宮の日だったということで、

それも相まって、「この子はきっといい子に育つ。」・・・と。

うーん、いまだ秘密兵器のままなんですけど・・・。


私本人はそんなことは全く知らずに育ちます。

でもなぜか小さいときから「死」というものがなんとなくいつも横にいるような感覚で、

(いたって健康なんですけど。)私はあんまり長く生きられないんじゃないかと

いつも思っていました。


何年か前、夢と現実の間のような空間で部屋に髪の長い女性がいたんです。

姿形がはっきりわからなくて、でも全然怖くない。

それで、おもいきって、そして確信に近い思いで

「あなたはお母さんのお姉さんですか?」って聞いたんです。


そしたら、ほんの少しだけその女性はうなづいていなくなりました。

目が覚めたとき、あれ?母の姉はひょっとしたらいつも一緒にいて私を見ていてくれていたのかもしれない、と思いました。


そして今回、帰省で母といろいろ話したりして、明け方の5時になっちゃったりしたのですが、

その時、初めて母に

「私、小さいときからなんとなくあんまり長生きできないような気がしていたんだ。

だからさ、なんでも思い立ったらすぐやらないともうやりたくてもできないような気がしちゃうんだよ。

『いつか』がないような、さ。

いいわけみたいだけど、習い事も観劇も海外旅行も生きてるずっと前にできなかったから今やってるような気がするんだよね。

でも早死にするとかそういう思いってよくないし心配させたくないからずっと黙ってたんだけど、

なんとなく、もうそんな思いは大丈夫なような気がするから話してみた。」


と言ったら、母がいきなり、

「前々から思っていたんだけど、Rのこと、お姉ちゃんの生まれ変わりなんじゃないかと思ってた。

今、Rの言ったことを聞いて、胸にすとんときたわ。

本当にお姉ちゃんだったのかもしれん。お父ちゃん、Rが生まれたとき他の誰が生まれたときよりものすごい喜んだし。」


( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚なに~っ!!私が伯母の生まれ変わり?!Σ(゚д゚;)


でも、そうかも・・・。


「ねえ、お母さん、何年も前、夢でお母さんのお姉さん、出てきたよ。なにも話さなかったけど。

薄暗かったからはっきり顔はわからなかったけど、私の前世なのかな、だから薄暗かったんだろうか・・・。」


なんとなく私も母も思い当たることが他にもいろいろ見つかって、

私は伯母のことは何も知らないのですが、性格とかいろんなことがとてもよく似ているらしいです。

運動神経が悪いことも、そして観劇が(伯母は宝塚)好きだったことも初耳でした。


覚醒遺伝とかあるからなんとも言えないけど、

私の中でも、伯母の生まれ変わりか、と思ったら今までずっと胸につまっていたものが

すーっと体の奥に入っていき、悲しくないのに涙が止まりませんでした。

そして今とてもすっきりしています。


前世ってよくわからないけど、24歳で亡くなってしまった伯母が私だったとしたら、

今もちょっと体が弱かったりするけど私はいろいろ体験してるよ!

もし一緒にいてくれるんだとしたら、これからも一緒にいろいろ体験しましょうね!('-^*)/