仕事柄家を空けることが多いせいか、
在宅での家族との時間を大切にしていた。
ある時、仕事先で、卓球台を買い
家に送ってもらうことにして、
帰宅の際は、家族で卓球をするのを楽しみにしていた。
その話をきいた家族みんなもいつ来るのかと
届くのを楽しみにしていた。
しかし、いつになっても卓球台は届かなかった。
そして、父が帰宅した。
その時、母から「卓球台のことは、絶対に父さんに口にしないで」と釘をおされた。
どうも、父は業者を装う詐欺師に騙されたらしい。
父は、しょんぼりしていた。
卓球ができなかったことより、
父を騙した詐欺師が許せなかった。
この時ほど、父が愛しいと思ったことはなかった。