ARMS
=At Risk Mental Stateの略で
精神病発症危険状態のことです。
つまり、リスクが高い状態を指します。
1、少しの弱い精神病症状
2、一過性で自然回復する精神病症状
3、遺伝的素因(家族歴)があり、社会的機能低下が見られる。
※社会的機能というものは精神科ではよく使う指標で、GAFというスコアを使用します。
これらのような兆候認めます。
ARMSだからといって全てが精神病を発症するわけではありませんが、ARMSが見られて数年以降には3割程度が発症しているというデータもあるそうです。
気になる方は論文の文献検索もしてみてください。
私が働いている際にも、
特に多かったのは統合失調症の患者さんの場合でしたが、
よくよく聴取すると実は数年前にちょっとこういう症状が出た時期があったんですよ、とご家族が言う患者さんもそこそこいました。
精神疾患では身体疾患と同じように、
未治療、治療介入までに時間がかかるケースほど治療が難航するケースが多いですが
実際、治療するまでに時間がかかるケースも多いのです。
ARMSはその時にはあまり気にならない症状であることも多かったり、一過性で治ったように見えるため、その時には医療へ繋がりにくいものだと思いますが
より多くの方に
将来の精神病のリスク状態というものがあるのだと知っていただけると
そもそも早めに精神科と繋がっていただけたり
次になんらかの症状が出た際に
早めの受診行動へつながるのではないかと思います。