睡眠に対しての訴えは病気、症状は様々であっても、かなりの方が訴えられます。
熟眠感がない
眠りにつくのに時間がかかる
途中で何回も目が覚める
朝早く目が覚める
睡眠薬が処方されている人も多くいらっしゃいます。
睡眠薬にも種類が様々で、症状に応じて組み合わせられていたり、選ばれています。
私達は夜間、巡視を行いながら患者さんの睡眠状況を観察しています。
精神科では患者さんの自己評価と、看護師からの他者評価に差が出ることもしばしばあります。
これは自己評価が低い場合もあれば高い場合もあります。
もちろん睡眠状況は他者評価であれば正確性には欠けることもあるとは思います。
しかし、明らかに巡視の度にいびきをかいているにも関わらず、朝、全く眠れなかった、と言われたり
巡視の度に目が合うのに、よく眠れたと言われる人もいます。
患者さんによって、もちろん元々の睡眠時間も違うし、どのくらい寝れればいい、という認識も違うので、時間はあくまで参考程度にしかならないかもしれません。
睡眠時間の評価に差がありすぎるときは、実際と認識に差があるということなので、患者さんの不眠感の訴えは病気の症状から現れている可能性もあります。
そういった患者さんは睡眠薬を増量されても、睡眠評価は変わらず、朝方の倦怠感から増えた、薬は合わなかった等主張されることもあります。
患者さんの訴えとは別に、見たままの評価をしっかりと記録しておくことは、次の勤務者にも睡眠評価が重要だと認識してもらえる指標にもなると思います。
また、よくありがちなのは昼寝です。
不眠を訴える患者さんは、割りと、うとうとした程度は睡眠と見なさない事があります。
その認識で、日中のかなりの時間をうとうとして過ごす。
それはもう、本人が何と言おうと、昼寝です。
もともと眠れない人が昼寝をして、どうして眠れるのでしょうか。
日中の覚醒促し、デイルームへ促す。
高齢者の方は結構拒否されるので、リハビリなどを入れてもらう事も多いです。
足のふらつきも減って、転倒も予防できるし、何より日中適度に運動することで体力を消費し夜眠れる。
一石何鳥でしょうか。
また、そもそも病院の環境になれずに眠れない方もいます。
病院に入院したことで動きが減り、体力があまり眠れなくなる人もいます。
家事もしなくなるし、仕事もしなくなるわけですから。
また、そもそも元の生活リズムと病院のリズムが違いすぎて眠れない人もいます。
眠れないことを気にしすぎて、かえって頭が冴えて眠れない人もいます。
こういう人は電気が消える時の緊張感が伝わってくるときもあります。
そんな状態で眠れるわけがありません。
一口で眠れない、といっても症状も原因も様々です。
理由はひとつではないことの方が多いです。
どうしてこの人は眠れないのか。
以外とあっさり解決されることもあります。
睡眠薬だけに全て頼るのではなくて、少し気にして貰えたら対応・処方が変わってくると思います。