おはようございます
内藤です

 

第138回のテーマは
「脱論語」

 

孔子は言いました

 

人が守るべき一番大事なこと

 

それは
己の欲せざる所、人に施すことなかれ

 

自分がされて嫌なことは
人にしてはいけない

 

至極当然

 

人としての基本
しつけの基本です


より良い人生を送るのであれば
守るべき指標となるでしょう

 

私は気を付けなければなりません

 

自分がされて嫌なことをね
人にしてしまうんです

 

それもしょっちゅう

 

昔から
何度も何度も

 

嫌な奴です

 

やはりテニス選手って
性格が悪くなるのでしょうか


あ、そうですよ
テニスの話ですよ

 

日常はね
それはもう論語通りの生き様ですから

 

孔子の生まれ変わりなんじゃないかと思います

 


で、テニスのこと

 

今週のテーマ
トップスピンの足元

 

やはり皆さんね
速いボールや勢いよく打ちたがるんです

 

でも足元のボレーってね
若干ペースを落とした少し山なりのボールの方が
体が泳いでしまうんです

 

そんな話をしたんです


とある生徒さんね

自分がボレーに入ったときに
速い足元は返していたんです

 

タ・ターンとハーフボレーを上手くしたり
ローボレーも面を作ってバランスよく返していました

 

ところが
やはり少しペースの落ちたボールが来ると
足が止まって、上体が突っ込んで
ミスを連発したんです

 

「やっぱりこういうボールは難しいなー」
「ボールを迎えに行ってしまうなー」

 

自分で言っていました

相当嫌だったみたいです


そして
今度はその方がストロークの番

 

テーマのスピンの足元を放ちました

 

私は目を疑いました

いいえ
私はそのとき瞬間的に論語を思い出したのです

 

あぁー
この方は非常にいい教えを受けられてきたのか

 

孔子先生の言われた通りのこと
を実践されているのだな

 

そうです

己の欲せざる所、人に施すことなかれ

 

自分がされて嫌だった
いやらしい球筋のスピンは打たずに

スパーンっと足元へボールを放ったのです


いとも簡単に返されていました

 

それでも
何度も何度も同じボールを

 

馬鹿の一つ覚えのように

 

いや、孔子の教えを全うしていたのでしょう


・・・

 

はい、単なる皮肉です

 

いや、ほんとにね
ちょっと言葉は良くないですが

アホですよね

 

自分がされて嫌だったショットをね
逆の立場になったらすればいいだけです

 

そんな簡単なことに考えが及ばない

 

それでは試合に勝てません

 

これはその方に限ったことではありません

 

全員です

 

一般のお客様全員

一人ももれなく
全員がこの視点に欠けているんです

 

人がいい
という側面も本当にあるかもしれません

 

本能的に人が嫌がることを避ける

自分が気持ちのいいことをする

 

そういう感覚でプレーをすることが多いのかもしれません


いや、でも
違うな・・

 

やはり思慮の浅さ

逆の立場で物事を考えられない
そこに起因しているのでしょう


自分が今から打つショット
しようとするプレー

 

もし相手が自分だったら
どんなショットを打たれたら嫌か
どんなプレーをされたら嫌か
どこにポジションを取られたら嫌か

そう考えれば
自分がするプレーが見えてきます

 

というより
そう考えることでしか
ショットやプレーの選択など出来ないです

 

例えば
相手がコーチの場合はね

それは別ですよ

 

自分がされて嫌なことと
コーチのレベルにある人がされて嫌なことに
ギャップがありますからね

 

でも
同じようなレベルにある場合は
自分がされて嫌なことを
相手にすればいいだけです


テニスのときだけは
孔子先生の教えに背くことになります

 

脱・論語です

 

やむを得ません


己が欲せざる所を
人に施しまくりましょう

 

ちょっと嫌な感じですが
そのやり取りが
テニスのゲーム性を高める

そして技術をも高めてくれるようになるのです

 


今日はちょっと意地悪に

あくまでテニスのときね
自分がされて嫌なことを仕返してみよう

テニスの何たるかが
少しずつ見えてくるはずです!