おはようございます
内藤です

 

第118回のテーマは
「アンチアンチエイジング」

 

昨日の
運転免許証返納に対する意見ね

 

高齢者批判とも取られかねないので
ちょっと補足というか何というか

 

別にね
高齢者が嫌いとか
邪魔だとか
そういうわけではないんです

 

じいちゃんばあちゃんは好きですよ

 

今この日本があるのは
高齢者の方々のおかげです

 

色々な経験や知識があって
心が大きく深くなっておられる方と
お話をするのは勉強にもなるし楽しいです


ただね
そうじゃない方も多くいます

 

昨日も書きましたが
免許証返納に意味不明な難癖を付けて拒否する人

わがまま放題をするご老人もいらっしゃいます

 

そんな高齢者が多いという問題

 

私が批判というか
指摘したいのはここ

 

現代の日本社会が抱える一つの大きなテーマ

 

歳の取り方
高齢者へのなり方
高齢者としてのあり方
ここに対する意識が歪んでいるという点

 


例えば
古代のインド


こんな人生の考え方がありました

 

人生を4つのパートに分ける

 

学生(がくしょう)期
家住(かじゅう)期
林住(りんじゅう)期
遊行(ゆぎょう)期

 

 

学生期とはそのまま
働くまで、社会に出るまでの勉強期間


知識やスキルを身に付けるための期間です

 

 

家住期


仕事をして
家庭を持って子を育てるという期間

 

 

林住期


仕事を終え、子育ても終え
バリバリ働くことをやめて
これまでの人生を振り返り
今後の進むべき道
自分のあるべき姿を模索していく期間

 

 

遊行期


これまでの人生で得た経験や知識を
若い世代に伝えていく期間


そして
衰えゆく体力
出来ることも少なくなり
子供へと返っていく中で
「死」へと向かう
「死」と向き合い
そして死にゆく期間

 

 

このように
人生をその時々でしっかりと区切り
自分は今ここら辺だな
もうすぐこの期間に入るのだな

そういう心持ちで
明確かつ適切なビジョンをもって
人生を送れるようにしていたのです


日本にもかつてそのような時代はありました

 

しかし戦後はどうでしょう

 

政教分離の名のもと
「人生」や「死」
こういった『死生観』
宗教的側面を持つ知恵や考え方について
適切な教育がなされてこなかった

 

一方で医学やテクノロジーは発展を遂げ
人はいつしか
『死』を遠ざけ
『老い』を否定し
言ってみれば
不自然ともいえる
歪んだ「健康」「若さ」を身にまとい始めました


アンチエイジングなどというものが
もてはやされていますが
この歪んだ現代社会の一端を物語っています

 

 

昔からありました


永遠の美と命を欲する
どの国にも昔話としてあります

 

でも、そんな人物の行く末は
決まって痛い目をみる
永遠の美や命などを求めるのは愚かということ
そんな提示としてのたとえ話なのです

 

それなのに今の世の中は
皆がよってたかってアンチエイジングです

 

テレビでもやっています
あなたの肌年齢は30代です、みたいな・・

 

死ぬまで30代や40代でいたがるのです

 

人生の次の段階
家住期から林住期に行こうとせず
ずっと家住期にいようとする

 

体の衰えを否定し
死から目を背ける


するとどうですか

やはり高齢者が高齢だという自覚がないままに
自分はまだまだ若い
身体的能力も十分ある
車の運転も問題ない
という人が多くなっていくのです

 


アンチエイジングなどとバカげたことを言ってはいけません

 

人は産まれた時から
有限の命
言ってみれば
自爆装置を抱えて人生を歩みます

 

老いること
死にゆくこと
それが自然


恥ずべくことなく堂々と受け入れればいいのです

 

老いて
身体はどんどん衰えていきますが
心は死ぬまで高めることが出来ます

 

自分の培ったものを
この世に還元していくことも出来ます

 

林住期、遊行期の過ごし方こそが
人生を形ある、実りあるものにするのです


高齢の方にこういった教育を促していく
考えるきっかけを持ってもらう
そういう機会や仕組みが必要なのかもしれません

 


今日は歳相応
必要以上のメイクはしない
血圧高めでも気にしない
歳相応の容姿
歳相応の暮らし、食事、考え方
心持ちを澄んで美しくすることと
若くあろうとすることは
似て非なるものだと気付くようにしましょう