朝、福山を出て、高知を経由して、土佐くろしお鉄道中村線に乗ってようやく辿り着いた。
土佐くろしお鉄道中村線の土佐佐賀駅。この日は『土佐さがのもどりガツオ祭』がすぐ近くの「黒潮一番館」というところで開催されていた。この旅で高知まで行くと決めた後に偶然この祭りを知って、ここまで足を伸ばすことを決めたのだ。
駅の写真を撮っていたら、「会場まで送迎してますよ」とおじさんが話しかけてきた。そう、駅から会場まで送迎があるらしく、元々歩いて行こうと思っていたのでこりゃラッキーだな、と。で、送迎車はバスやマイクロバスの類ではなく、どなたかのワゴン車だった。
駅から車で5分、会場である「黒潮一番館」に到着。
会場に着き、さっそくたたきを食べる。塩でいただくのだが、これがまた旨い!鹿児島ではショウガかニンニクのみじん切り(もしくはすりおろし)を載せて甘い醤油でいただくのだが、塩で食べるのは初めて。これがかなりカルチャーショックで本当に衝撃的だったが、かつおの甘さが引き立ち、美味しかった!
冷凍物ではないので、冷たくはない。ただ、それが獲れたての証らしい。確かに、昔博多に行った時、美味しいとお薦めのイカ料理屋さんに入ったのだが、入口で「今日はイカが手に入らなかったので、諦めてください」と言われた。どうしてと尋ねたら、「海が時化ていて漁が出来なかったから水揚げもなかった」とのこと。更に、「なので、今日イカ料理を出している店は新鮮なイカじゃないよ」とまで教えてくれた。なるほどね、そういうこともあるんだね、と一緒に行った面子一同感心しっぱなしだった。
このごはん、何だっけかな? お店の人に勧められて食べたんだけど。他にも麺類や色んな食べ物があって、これも食べてあれも食べてとお店の方が気持ちよく誘ってくる。「どこから来たの?」と聞かれたので「東京から・・・」と答えると、「わざわざ東京からこの祭りにやって来たの?」と驚かれてしまった。まあ、確かに東京からわざわざやって来たと言えばその通りだが、私にとってこのぐらいの距離は大したことはない。
建物傍の広場では何やら踊りを踊っていた。
東京から来た“珍客”を踊りに誘おうとするが、やんわりと遠慮しておく。
踊りが終わり、ぞろぞろと観客が集まりだす。みんなで踊るのかなと思っていたら・・・・。
最後に餅投げ(餅撒き)。
大人たちが袋や籠を持ってみんな拾ってる。私の足元にも転がってきて、どうしようか悩んでいたら「拾わないの?」と声を掛けられ、「ここの土地のものじゃないんで・・・」と遠慮していたら、「いいんだよ、みんなで幸せを分かち合うための餅投げだから」と。でも、さっきここに着いて、ペロッとかつおをいただいて、さくっと持って帰るのもいかがなものかと何となく躊躇していたら、声をかけていただいた方が持って行った。
右側の専用区域では子供たち用に行われていたのが印象的だった。
朝からやっていた(らしい)祭りは餅投げでフィナーレ。私はちょっとまだお腹が満たされず。
会場から歩いて駅まで戻ってきた。
丁度、宿毛行きの特急『あしずり』がやって来た。
乗るつもりはなかったので優雅に見送る。
さて、腹を埋めるべく、ちょっと移動するか。
<つづく>