2014年1月1日、京都定期観光バスを利用した正月の京都の寺社巡り。最後は龍安寺。
龍安寺は臨済宗妙心寺派の境外塔頭寺院で、大本山である妙心寺からは北に1kmちょっと離れた場所にある。龍安寺も「古都京都の文化財」の1つとして世界遺産に登録されている。
仁和寺から龍安寺まで歩いても10分ぐらいだが、皆さんバスに乗っていく。無論、私も。広い駐車場脇の道から入っていく。
三門を入ってすぐの鏡容池は国の名勝である龍安寺庭園の中心。その昔は方丈庭園よりもこの庭園の方が名所として知られていたとのこと。
寺の事務所などに続く道。そういった個所も見えないように塀や竹垣が作られているのだろう。
階段横の竹垣は“龍安寺垣”と呼ばれる特有のもので、この竹垣の特徴は透かしの部分の割竹を菱形にすることで柱やカーブに対応しやすくなり、長い距離に適しているとのこと。
同じ場所、4月末の様子。新緑が鮮やかで眩しい。
紅葉の季節だと、それはまた素晴らしい景色となるのだろう。
現在の龍安寺と言えば、石庭。正式には方丈庭園。庭園の手前には目の不自由な方が庭園の石の配置を触ってわかるように模型が置いてあった。見るだけでも結構わかりやすい。
方丈庭園は国の史跡及び特別名勝。25m×10m程度で、小学校のプールのほどの広さ。手前から5、2、3、2、3と計15個の石が置かれているが、どの位置から見てもどれか1つの石が見えないように配置されているというところが面白い。
方丈庭園はこちらの角に向かってうっすらと低くなっている。これは排水考慮してのこと。また庭園を囲む杮葺の屋根と油土塀は室町時代のもの。方丈自体は1797年に焼失してしまったため、同じく妙心寺境外塔頭の西源院の方丈を移築した。龍安寺には他にも西源院から移築したものが多い。
油土塀は右側の角に向かって少しずつ低く作られている。錯覚を利用し、視覚的に奥行きを感じさせる設計。肉眼ではわからないが、写真を見てもよくわからないぐらい。
方丈の縁に座り、皆静かに庭を眺める。ここで会った知らない人同士だが同じ空間を共有し、美しさに共感しているような錯覚に陥る。
<つづく>