錦鯉春助の冒険 -2ページ目

錦鯉春助の冒険

日常の恐ろしき風景

 大相撲名古屋場所で貴景勝は負け越して大関を陥落した。来場所10勝

すれば大関に戻れるが無理だとおもう。


 貴景勝は力士として特に押し相撲の力士として致命的な持病を持っている。首の後の頸髄を痛めているからだ。


 頸髄は首の後を通る太い神経の管だ。脳の命令は電気信号となり身体のパーツに伝わる。こうして我々は自在に身体を動かせるのだ。


 押し相撲の貴景勝は頭から相手にぶつかるから頸髄が切れる恐れがある。


 電化製品の電源コードをハサミで切れば電化製品は使えなくなる。人間の身体も同じだ。


 スーパーマン役をやっていたクリストファー・リーブは落馬して頸髄を完全損傷した。ハサミで切られた状態だ。


 こうなると首から下はまったく動かない。大小便や汗も自力では排泄できない。呼吸も苦しく人工呼吸器をつけねばならない。現代医学は神経の入口に入ったばかりだ。


 だから柔道の試合も頭をマットに付けたまま投げ技を掛けると即反則負けになる。首を痛める危険があるからだ。


 一流アスリートには華がある。華があるとは人間性を含めた存在感であらうか。


 野球では野茂、イチロー、大谷など。力士では既に亡くなったが横綱の千代の富士。白鵬は不思議と華がなかった。


 貴景勝は身長175cmで体重は165キロ。余りにアンバランスな肥え方だ。だから膝から下が物凄く細くて支える土台が貧弱だと怪我が増える


 いつも苦しそうな表情で口をパクパクするのは酸欠の金魚に似ていて華どころか痛々しい。


 もう頸髄に衝撃を受けるのは避け

て体重を少しずつ減らす事だ。


 そうしなけば子供が二十歳になるのを観られなくなる。


 解説者や相撲関係者は怪我を推して頑張ったと褒める。無責任な根性論だ。根性論を唱えるのは現役時代2流アスリートばかりだ。安全な場所に居る人間は始末が悪い。


 国のために死ねと青年をけしかけた男達がのうのうと戦後を生き延びたのと同じだ。


 終戦記念日を前にそう思う。