5歳くらいから飼っていたねこ。


呼んでもニャーとも言わないし
抱っこなんて大嫌い。


おもちゃをあげてもシカト。
一緒に寝ることなんてしない、


わたしは彼と一緒に大きくなった。



本当にクールな子でしたが、
母の身代わりになってくれた。





17のとき、母ががんになった。


大学受験を控えていたわたし。
夜中に痛みを訴える母を病院へ連れて行く父。


決して安くはない医療費も
わたしたちにはつらかった。



抗がん剤治療が始まってすぐ、
母の目の前で彼は突然亡くなった。



わたしは家にいたが、
いつもなら寝るはずのない時間に
急に睡魔に襲われた。




ねこは飼い主の身代わりになることがあるらしい。



迷信かもしれないし
彼はそうではなかったかもしれないが

わたしは感謝します。





彼がいなくなっても、
母だけは彼の気配を感じた。

うちに一人でいるとき、
走って方向転換のために爪を出し、
フロアを引っ掻く音が何度かした。




ぱんちくん。

あれから10年以上経つね。

きみと一緒に住んだ家は引越してしまった。庭に埋めたままになってしまった。

小さいとき、一人で留守番中に
夕立と雷が鳴って怖かったとき、
一緒にいてくれてありがとう。


今はきみの2代目として、
ママが気に入った子を飼っているけど。

あのときママの身代わりになってくれて
本当にありがとう。

忘れないよ。