常連さんには、
公認会計士、ライター、広告代理店の人などがいた。


ライターのカズくんは、お酒に強くてスタッフにも気を使ってくれる。


広告代理店のねっしーは、開店からのお客さん。
気遣いはもちろん、閉店後のゴミだしまで手伝ってくれる。

ママのお墨付きだった。

『ねっしーは本当にいいお客さんよ。』


怖いお客さんにあたしが困っているときも、
絶妙に空気をよんで会話に入り助けてくれた。



会計士の松井さんは、セックス大好きな素人童貞。
下ネタはとにかく多かった。


来店前は必ず店の携帯に連絡がくる。



『あ、アヤちゃん?何か食べたいものある?』


『あたし、アイス食べたいです♪』


そういうと、ハーゲンダッツを山のように買ってきてくれたこともあった。


ママやレナさんのお客さんも、店で出前をとってくれることがあった。


この界隈では有名なお寿司屋さん。
キャバ嬢やホストのイベント用のフルーツ盛りなどもやる、
イタリアンのお店。


ママやレナさんは、
そういうおねだりも絶妙だった。




お店がおわると必ずどこかへ飲みに行った。


あたしは1人でお客さんとのアフターが禁止されていたので、

ママとレナさんとお客さん。
ママとお客さん。
レナさんとお客さんと行くことが多かった。



ママとふたりで行くこともあったし、
レナさんとふたりのこともあった。



ママには

『いつも何かに苦しんでるように見える』


といわれたり、
レナさんには


『お客さんには彼氏いないって言ってるけどさ、本当はアヤちゃん彼氏いるんでしょ?』


といわれたりした。




あたしはその後さらにひとりで飲みに行った。