あたしは16歳
あなたは20歳
あのときはまだ
なんにも知らなかった

ただ好きだった
あなたの学歴
家柄
父親の職業
でも
好きだったのはそれだけ

あたしは海外が大好きで
英語の授業はたくさん
社会的な夢もあって
大学は知名度だって信じてた


あたしの学歴を
家柄を
性格を
夢を
あなたはバカにした


あなたは名の知れた大学生
だけどなりたいものもなくて
今が楽しければいい
日本を出たこともなければ
英語もしゃべれないの
いまだに戦後のアメリカ嫌い
実家を出ることもできない人


それでも心は
奪われてしまってた


大学を出て
社会に出て
彼と出会って
やっとわかったの


どんなに学歴があったって
家柄がよくたって
中身はからっぽ
それじゃしょうがない

アイテムは違うけど
あなたに営業はどうかしら
数字なら
あたしは絶対負けない


夢がないことは
教養がないより恥ずかしいってこと
学歴がすべてだなんて
空に描く絵だったのよ


まっすぐに生きる?
そんなのごめんだわ
あたしは海外にも
夜の世界にも
1人でどこにだって行ける
専攻も論文も
すべてに満足してる


普通に生きるくらいなら
この手で人生終わりにしたいわ



あたしはあたし
誰にも邪魔されない生き方をする
もうすべて忘れたわ


感謝してる
あなたと出会えたことに
あなたと別れられたから
わかったから
この世で一番たいせつなものがなんなのか


あたしは今
最高に幸福だから