某ビルの何階かにある箱は変わっていた。


ついていっただけなので
どこをどう行ったかまったく憶えていないが、

箱も内装も店の雰囲気もキャストもすっかり様変わりしていた。


あれから1年以上も経っているんだから
この世界では全然不思議なことじゃないのかもしれない。


ただ変わっていなかったのは、

社長、代表、初めて行ったときについてくれた若い子。
それと店で流れているパラパラのDVD。


みたこともない子が次々にあたしの隣にいる人に挨拶に来る。

相変わらずここではK氏は王子様だ。



K氏は例の調子で若い子たちとあれこれ話していたが、

いよいよ酔いがまわり胃がぐちゃぐちゃしていたあたしは
K氏と少し口をきいただけでただ遠くを見ていた。



用が済んだというので1時間くらいで店を出た。


すっかり朝になり明るくなった外にイライラしながら、
あたしは嫌がるK氏と無理矢理次の店へと向かった。