後味最悪なまま店を出て、
靖国通りからセントラルに入り足早に歩く。
すぐ近くなのになぜかすごく遠く感じる。
そういえば、
あたしは今までK氏を待たせたことしかない。
黒いタクシーに乗りたかったという理由で冬の早朝外で待たせたり、
「傘がない」と嘘をついて雨の中待たせたこともあった。
きっとこういうつながりなのだろう。
そんなことを考えているとK氏のいる居酒屋がみえてきた。
またすぐに電話をいれ、合流した。
不機嫌なことは最初の一言ですぐにわかったが、
あたしが完璧に酔っ払っているのでそれほど怒られはしなかった。
完璧にキマっていたあたしは既にダウン寸前で、
心にあることを迷うことなくそのまま口に出した。
酔うといつも不思議なくらい本音がボロボロ出てしまう。
きちんと記憶が残っているのが忌まわしい。
共通の知り合いのこと、店のこと、仕事のことなど
近況をひととおり話して前の店に軽く行くことになった。
K氏と初めて会ったのは前の店だった。
1年後そこに一緒に行くことになるとは思いもしなかったし、
同業でも従業員でもないし、
これまで感じたことがないような不思議な気持ちになった。